マリタイムイノベーションジャパンは、船の燃費を改善する手段を「着せ替え」と名付け、これを適用したばら積船「Flex Ultramax 2014」の基本コンセプトを開発したと発表した。
現在、燃費低減のため、減速運航が常態化しており、燃料価格や環境規制の動きを見ると、今後も減速運航が継続されると見られる。ただ、海運市況が好況に向いた際、速力を上げて船を運航したいと考えるオペレータは多く、ばら積船では従来通りの速力で設計されている。
今回開発した着せ替えコンセプトは、減速運航を前提として設計速力を設定し、主機はこれに最適な出力でチューニングを行うことなどにより、通常船を減速した場合に比べて数%燃費を削減できる。開発に当たっては、同社に参加している日本郵船とMTIが協力した。
また、船速を上げて運航する場合、主機を再チューニングすることで、通常船と同等の燃費で運航することが可能となる。
Flex Ultramax 2014は、これまでの56~58型のSupramaxに対して5%燃費を削減した63型ばら積船に、着せ替えコンセプトを適用、さらに3%燃費を削減したもの。
同社に出資している造船所は、今後この基本コンセプトを展開していくことが可能となる。着せ替えコンセプトを採用する際に対応が必要となる主機・推進軸系・プロペラ強度、NOx認証、EEDI認証、騒音規制などの関連規則への対応方法については、日本海事協会が確認している。
着せ替え時の船主の手続き軽減についても、同協会が検討している。