自動運転の国際基準づくりに向け検討を開始、自動車基準調和世界フォーラム

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自動運転のイメージ(写真はホンダの協調型自動運転)
  • 自動運転のイメージ(写真はホンダの協調型自動運転)
6月23日から27日まで、スイス・ジュネーブで国連自動車基準調和世界フォーラム(WP29)第163回会合が開催された。

会合では、自動運転技術に関して、他の条約の規定や各国の道路交通に関する法令との整合性を確保するなど、国際基準を視野に具体的な検討に入ることで合意した。

WP29は、自動車安全・環境基準の国際調和と認証の相互承認を多国間で審議する唯一の場であり、日本も積極的に参画している。

安全・快適な道路交通社会の実現に向けて、自動運転技術の実用化が注目される中、国際市場における技術の普及促進と、安全確保両方の観点から、これら技術の取扱いを国際の場で議論していくことの重要性が高まっている。

これまで、WP29では、傘下のITS(高度道路交通システム)専門家会議で、自動運転技術の定義など、自動運転技術に関する議論を行ってきた。

今回のWP29では、ITS専門家会議共同議長の日本から、将来的な国際基準化も視野に入れた今後の進め方として、ITS専門家会議で、従来の自動運転技術に関する議論に加え、他の条約の規定や各国の道路交通に関する法令との整合性を確保するなど、自動運転技術の普及に不可欠な議論を行うことを提案、了承された。

今後、国際的な共通理解の醸成、技術開発・普及の促進、具体的な国際基準の検討を開始する。

また、国際的な車両型式認証の相互承認制度(IWVTA)についても議論した。IWVTAは、自動車に関する認証の相互承認を、これまでの装置単位から車両単位へ発展する制度。この制度を実現することで、1か国で車両認証を取得した自動車が、IWVTAを導入している世界各国/地域で受け入れられるようになる。

今回のWP29では、IWVTA専門家会議副議長の日本から、IWVTAに関する各国の参加促進、周知徹底を図るため、協定未加盟国を含む全てのWP29参加国に対し、IWVTAの解説資料を送付した上で、IWVTAの導入について、文書で意見の提出を求めることを提案、了承された。

今後、IWVTAに含める上で改正が必要な装置・部品に係る国際基準の改正作業を加速させるなど、2016年のIWVTA創設を目指し検討が進める。

また、WP29では、自動車の安全・環境に関する装置・部品毎の基準の統一・認証の相互承認の実施を目的とする1958年協定の改正案が審議されてきた。現行の1958年協定で、各基準は3分の1を超える反対がない限り成立するが、現在の51加盟国・地域のうち、28か国をEU加盟国が占めている。

このため、協定の改正案では、「同協定に基づく国際基準採択に関する多数決規定の見直し」が、唯一の残った課題だった。

日本は、ASEAN諸国など、新興国の協定加盟を促すという協定改正の目的から、同多数決規定の引き上げを主張してきた。

今回のWP29では、日本を初め豪州、インドに加え、ロシアからも同様に引き上げが主張された。今後は、多数決規定の引き上げの必要性を共有する各国と共同提案文書を提出する。協定改正は、来年3月までの各加盟国における確認を経て、2016年3月に発効することが予定されている。

このほか、日本で開発された脚部ダミー(Flex-PLI)を試験用ダミーとする歩行者保護の改正基準が成立した。
《レスポンス編集部》

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