若手エンジニア育成で自動車産業の再生へ…学生フォーミュラのねらい

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全日本学生フォーミュラ大会
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  • 上智大学のフォーミュラカー SR13
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公益社団法人自動車技術会は、2014年9月2日~6日の5日間にわたり、静岡県のエコパ(小笠山総合運動公園)で第12回 全日本学生フォーミュラ大会を開催する。

全日本学生フォーミュラ大会は、610cc以下の4サイクルエンジンを搭載した1人乗りのフォーミュラーカーを学生自らが作成。さらには、年間生産台数1000台を想定したビジネスモデルまで企画立案するもので、自動車技術ならびに産業の発展・振興に資する人材を育成する目的のもとに開催されている。

今回で12回目を迎えるこの大会には、96チームがエントリー。書類選考により大会出場チームを最終決定する予定。

この大会について、自動車技術会事務局次長の小高徹さんは、「1981年にアメリカのSAEが学生フォーミュラ選手権(フォーミュラSAE)というプログラムを作った。四輪生産台数が、日米で逆転したくらいのタイミングであることから、自国の自動車産業を再生させるためには、若いエンジニアの育成が必要不可欠だという危機感のもと、スタートさせたプログラムだ」と説明。

「日本からも、2002年ごろから複数の大学同士でチームを作り、3年ほど参戦しており、ぜひ日本でもこの活動をやってほしいという声が、その先生や学生たちから上がったので、自動車技術会が主催して、この大会の開催となった」と話す。

このプログラムの中には、1000台を想定したビジネスモデルを策定することが参加要件としてある。「これは、アメリカの仮想条件で、草レース、サンデーレースに参加しているアマチュアレーサーの市場があり、その人たち向けの商品を作ることを指している」と小高さん。「その商品の試作モデルを作って、それを、製造会社、コンストラクターの役員に、自分たちの作品の優位性をプレゼンテーションする。そのプレゼンテーションも審査のひとつとして得点にカウントされる」という。

つまり、「このクルマを作ったらどのくらい利益が出るのか、そこも含めてプログラムは考えられている。従って、工学系の学生だけではなく、文系の学生も参加して、自動車の企画を進めるようなものだ」とし、「審査員の自動車メーカー各社担当者も、自動車メーカーが行っている試作モデルのシミュレーションだと評価。実際には企画から販売までを一貫して担当することがないため、学生時代に経験をすることで、将来非常に役立つだろう」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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