“政府肝いり”自動運転プロジェクト、ITSジャパン渡邊会長「現場を変えないとイノベーションはおこならない」

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自動運転のロードマップ
  • 自動運転のロードマップ
  • 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の対象課題
  • ITSジャパンの渡邉浩之会長(トヨタ自動車顧問)
  • 協調領域と競争領域
  • 地図情報の高度化
  • 自動走行と人の役割に対する研究
  • 国例連携の構築
  • 現場を変える

安倍内閣が推進する科学技術重要施策アクションプランに基づき設立された総合科学技術・イノベーション会議において、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」に2014年度に500億円の予算が割り当てられることが決まっている。

このSIPは宇宙や海洋、医療など日本の中核産業のイノベーションを推進する10の対象課題が決められており、その中のひとつにITSジャパンの渡邊浩之会長がプログラムディレクター(PD)を務める「自動走行(自動運転)システム」(割当額は24.5億円)がある。

6月11日、ITSジャパンの総会に続いておこなわれたシンポジウムでは、渡邊会長が登壇してこの自動運転プログラムの取り組みについて説明した。

渡邊会長は、まず「何のために自動運転やるんだという声があるが、それは交通事故死者を減らすという国家目標達成のため。もっと安全な社会を作ろうじゃないかということ」とその背景について説明。「部署連携、官民連携、国際連携といったことを、意図的に統合し組み合わせて結果を出すプロセス。今まで国が実現できてこなかったR&Dの新しい形が実現できればと思っている」と述べてプロジェクトの意義と重要性を説いた。

さらに渡邊会長は「自動車の運転に関わる認知・判断・操作という行動のうち、認知の部分については協調領域としてSIPで取り組んでいく。事故の低減率が小さくなってきている中で、何をすれば事故が減るのか、という科学的に成果判断できる基盤技術をまずはつくる」との認識を示した。

続けて、「いくら良い技術、良いシステムを作っても、現場を変えないとイノベーションはおこならない」と強調。「PDCAを回しながらクルマ・インフラ・ヒトの三位一体のマネジメントを、地域でやって現場がちゃんとついていっているかどうかを見る必要がある」と述べ、交通死亡事故低減に向けた自動運転のプロジェクトを、強いリーダーシップを持って臨む決意を明らかにした。

《北島友和》

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