日本が初優勝を飾ったバドミントンの国・地域別対抗戦、男子トマス杯で活躍した桃田賢斗選手のコーチを務めたことのあるイズアン・イブラヒムさんは、「桃田選手をコーチしたことを後悔していない」と述べた。
何事も民族主義・ナショナリズムで括りがちの現在の風潮と一線を画すプロフェッショナル的姿勢を示した。
イズアンさんは、マレーシアへの愛国心には揺るがないものの、自分が現在も日本代表チームのコーチだったら間違いなく日本チームと桃田選手を応援しただろうと語った。
コーチ経験のある日本が決勝でマレーシアを破ったことでイズアンさんがにわかに注目を浴びることになったが、イズアンさんはコーチ時代に、教え子の桃田選手が2011年のアジアユース選手権準決勝でマレーシアのズルファドリ・ズルキフリ選手に敗れた。その際の心境について「ズルファドリ選手が優勝したのは嬉しかったが、桃田選手を勝たせてあげられなかったことは悲しかった」と、プロのコーチらしいコメント。その上で、後に日本代表を牽引するほどの成長を遂げた桃田選手と比較し、「(代表選手にも漏れた)今のズルファドリ選手をみると悲しい」と述べた。
(ザ・スター、マレーシア・クロニクル、5月27日)