小田急電鉄は5月15日、同社グループの大山観光電鉄が運営する大山鋼索線(大山ケーブルカー)で大規模な設備更新工事に着手すると発表した。新型車体も導入する。
大山ケーブルカーは丹沢山地の大山を登る、神奈川県伊勢原市内のケーブルカー。小田急小田原線の伊勢原駅からバスで約30分の大山ケーブル駅と、山上側の阿夫利神社駅を結んでいる。営業距離は0.8km。
1931年に大山鋼索鉄道が運営する路線として開業したが、戦時中の1944年に廃止。戦後の1965年7月11日には、現在の大山観光電鉄が運営する路線として再開業した。2015年は再開業から50周年にあたり、これにあわせて大規模なリニューアルを実施することになった。
この設備更新では、保有する2両の車体を新造する。小田急の特急ロマンスカー50000形「VSE」などをデザインした岡部憲明アーキテクチャーネットワークが、新車体のデザイン設計を担当。「眺望をよりお楽しみいただけるケーブルカー」(小田急)を目指すという。
同時に地上設備の更新も実施し、全線のレール1560mと枕木900丁、分岐器2カ所を交換するほか、橋脚と橋桁の補強工事、電気設備などの改修工事も実施する。工事費は総額約16億円。
工事は今年5月19日から着手し、2015年9月の完成、翌10月の運行開始を目指す。これに伴い、2015年は5月から9月まで運休する。なお、今年の6月2~8日も定期検査と設備更新工事に伴い運休する予定だ。