新型MINIの高性能版『クーパーS』。新設計のツインパワー・ターボを搭載するのは『クーパー』と同じだが、こちらは4気筒で2リットルとなる。その性能は192PS/280(オーバーブースト時は300)Nmと卓越したものとなっている。クーパーも新型では十分な性能をみせるが、やはり“S”がつく分の手応えはひとしお。加速スピードなど段違いの俊足ぶりだ。レッドゾーンは6500rpmからだが、そこまで使い切る走りはもはやスポーツカーレベルで、「こうなるとJWCはさぞや」と思った。排気音も太めで、AT(MTよりJC08モード燃費がいい)でもダイレクト感のあるエンジンフィールが味わえる。もちろん流すような走りで扱いにくさはない。新型では、全車、アイドリングストップが効くようにもなった。一方で足回りもエンジン性能に見合ったものに。ロールがとことん抑えられ、路面からの入力もしっかりと伝わる。やや重めの操舵力のステアリングも、操作に対しヴィヴィッドに反応を示す。座面前後長が調整可能なシートは、これまでのミニのネガを解消。ホールド性がよく、まさに“スポーツカー体験”をさせてくれる。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。