MAS機の緊急着陸、政府の素早い対応目立つ

マレーシア航空(MAS)MH370便の行方不明事件における情報混乱などですっかり信頼を落としたマレーシア政府だが、3月21日に起きたMH192便の緊急着陸事件では素早い対応が目立った。

エマージング・マーケット 東南アジア

マレーシア航空(MAS)MH370便の行方不明事件における情報混乱などですっかり信頼を落としたマレーシア政府だが、3月21日に起きたMH192便の緊急着陸事件では素早い対応が目立った。

MASではMH370便の事件後も、3月24日のソウル行きのMH066便が電気系統の故障で香港に緊急着陸するなどの航空機のトラブルが相次いでいた。

政府系の各メディアは、離陸時にタイヤが破裂したという状況下で、管制塔やMAS機乗務員が協力して全員が無事に帰還できたと大きく報道。乗客の声を紹介しながら冷静に対応したノル・アダム・アズミ機長を「英雄」と讚えるなど過剰ともいえる称賛記事で埋め尽くしている。燃料を空にするために上空を4時間にわたって旋回している間、同機長は20分毎に状況を機内アナウンスして乗客を安心させていたという。

MH370便事件でつたないメディア対応を批判されたヒシャムディン・フセイン運輸相代行は、事故発生直後に集った内外メディアに対して無事に戻ったばかりの乗客とのインタビューの機会を設ける一方、記者会見を開催し状況説明を行った。関係当局への事故原因調査の指示もすでに行っており、警察は妨害工作の可能性も含めて捜査を行っていることを明らかにした。

一方、インド洋で消息を絶ったとみられるMH370便はいまだに残骸が見つかっていないが、米海軍から提供された自力航行の無人探査機「ブルーフィン21」はブラックボックスの信号に基づき絞り込んだ捜索域の3分の2の捜索をすでに終えている。

伊藤 祐介

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