【シージャパン14】神戸製鋼、旭海運と「舶用バイナリー発電システム」を共同開発…2016年度実船搭載目指す

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旭海運の大型石炭専用船「旭丸」、新開発の舶用バイナリー発電機を搭載してシステム全体を構築
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神戸製鋼所と旭海運は共同で「舶用バイナリー発電システム」の開発に着手したと発表した。2015年度中に開発を完了し、2016年度中の実船搭載を目指す。

共同開発する舶用バイナリー発電システムは、大部分が利用されていなかった船舶のエンジンから排出される熱を熱源として、バイナリー発電機で発電、その電力を船舶の動力の補助電源などに活用するもの。

エネルギーの有効活用により、使用燃料とCO2排出量を年間2.6~2.9%程度削減できると想定している。

開発に向けて、神戸製鋼は新たに舶用バイナリー発電機を開発し、旭海運は自社が保有する神戸製鋼向け大型石炭専用船「旭丸」に新開発されたバイナリー発電機を搭載し、システム全体の構築を担当する。

この研究開発は、国土交通省の「次世代海洋環境関連技術開発支援事業」、日本海事協会の共同研究テーマに採択され、実施する。

従来、船舶ではエンジンから排出される多量の熱について、再利用される事なく船外へ放出されており、エネルギーの有効活用の観点から課題となっていた。CO2排出量削減の観点では2013年1月から船舶エネルギー効率管理計画(SEEMP)の船上保持が義務付けられ、船舶におけるCO2排出量の管理体制も明確になったことから、今後、環境対策が重要視される。

神戸製鋼が2009年に販売開始した「マイクロバイナリー発電機」は、工場の排熱など、従来使用されることが少なかった熱源から、作動媒体を加熱・蒸発させて、その蒸気でタービンを回し発電する発電システム。今回、これを新たに「舶用バイナリー発電システム」として旭海運と共同開発する。

4月9日から11日まで東京ビッグサイトで開催される海洋関係の展示会「シー・ジャパン2014」で、今回の「舶用バイナリー発電システム」をパネルで紹介する。

《レスポンス編集部》

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