【バンコクモーターショー14】小型EV「FOMMコンセプトOne」東南アジア市場向け発進

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「FOMMコンセプトOne」ボディ全体はすべて樹脂パネルで構成されている
  • 「FOMMコンセプトOne」ボディ全体はすべて樹脂パネルで構成されている
  • 「FOMM」のブース。部品展示スペースの一角にあった
  • 「FOMMコンセプトOne」のインパネ
  • 骨格となっているパイプ式フレーム。安全構造も十分に意識したという
  • 【バンコクモーターショー14】小型EV「FOMMコンセプトOne」東南アジア市場向け発進
  • 二輪と同じ操舵方式を採用
  • 後部座席は大人二人が乗車可能。日本市場で展開する場合は、ここをカーゴスペースとすればいい
  • 水中では簡易スクリューに役割も果たす独自のホイールデザイン
今年2月、タイ市場に向けて投入すると発表された『FOMMコンセプトOne』が、バンコク国際モーターショーにお目見えした。プレスデーの当日は、FOMMの代表取締役をつとめる鶴巻日出夫をはじめ、日本人スタッフが一般公開日に向けた準備に追われていた。

鶴巻氏の経歴をたどると、過去にスズキでオートバイの設計を、トヨタの子会社アラコでは小型電気自動車「コムス」の企画・開発に携わった経験を持つ。これを活かしてタイを始めとする東南アジア市場に向けた小型EVとして『FOMMコンセプトOne』を開発。乗用車の普及期に入っているタイ市場で普及させるべく、その第一弾としてこのショーへの出展を決めたのだ。

出展された『FOMMコンセプトOne』は、日本で発表された時と同じ車両で、ボディ側面のデザインも変わっていなかった。小型EVとほぼ同寸の小さなボディながら大人4人が乗れる空間を確保し、アクセルのスペースも不要とするためにオートバイと同じ操舵システムを採用している。ドアは両側ともスライド式で、現仕様では窓は運転席側のみ。氷を入れて使う蓄熱式簡易クーラーもオプションで準備する。

フレームはオートバイと同じ考え方で作られたパイプ構造。樹脂パネルを組み合わせたボディのつなぎ目にはこのフレームが露出しているが、それでも仕上がりが良いのか、チープ感はほとんど感じさせない。このメリットは軽量化だ。空車時なら460kgととにかく軽い!しかも水害の多いタイ国内に向けて開発されただけに、水の中では車両が浮いて、万一流されても故障しにくい耐水性も確保している。前輪を回転させれば、なんとフィン型ホイールが簡易的なスクリューの役割も果たすのだという。

駆動方式は前輪のインホイールモーター方式で、電源とするリチウムイオンバッテリーは取り外し可能なタイプ。最大6個までのカセット式バッテリーが搭載でき、この時の航続距離は最長で約100kmになるという。

鶴巻社長によれば、「タイでの反応は悪くない。提携商社が関心のある業者を多数お呼びしたため、対応に大あらわだった」という。しかし、同時に「空調が簡易式であり、窓が片方しかないことは東南アジアではマイナスとの声が多く、この辺りは生産までに改良を加えていきたい」とも話す。また、タイ市場で販売するに当たっての問題点として、「EVに対する認識の低さも大きな課題だ。パワーについても3.5Lクラスの低速トルクがあると話しても信じてもらえない。この意識の壁を乗り越える努力も必要だ」と述べた。

さらに普及のための最も重要な課題、それが価格だ。実は予定している価格は30万バーツ(日本円で約100万円近く)。タイでは、この価格に少し足せば日本車が買える。このままではそう簡単に太刀打ちはできないのは明らかだ。そんな中で普及を目指す方法として、「まず欧州規格の“L7E”の取得を目指し、この取得した実績を踏まえてタイ政府に普及へ向けた優遇措置を掛け合っていく計画でいる」と言う。新事業へ向けた新たな取り組みとして、今後の成り行きに注目していきたい。
《会田肇》
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