キャセイパシフィック航空が発表した2013年12月期連結決算は純利益が前年同期比203.9%増の26億2000万香港ドルと大幅増益となった。
売上高は同1.1%増の1004億8400香港ドルと、小幅な増収だった。
旅客事業が好調だったのに加え、2012年に航空燃料価格の高止まり対策として実施した燃料ヘッジ効果もあって大幅増益となった。ただ、貨物事業は第4四半期にやや改善したものの、競争激化と長引く需要低迷の影響を受けた。
旅客部門の売上高は同2.4%増の718億2600万香港ドルと堅調に推移した。2012年から続いた一部の長距離路線での減便措置、ボーイング747-400型旅客機の退役前倒しに伴って、輸送能力は1.8%低下したが、年度末に向けて新規路線開設や減便となったフライトの運航再開により輸送能力は増強へと転じている。
2013年度の座席占有率は前年同期比2.1ポイント増の82.2%へと上昇し、平均旅客単価(旅客1人を1キロメートル輸送することで得る収入の平均)も1.8%増の68.5香港セントとなった。旅客需要は長距離路線の全クラスで好調だった。
グループ全体の貨物部門の業績は、貨物需要の低迷による影響を受けた。売上高は同3.6%減の236億6300万香港ドルで、キャセイパシフィック航空と香港ドラゴン航空の平均貨物単価(貨物1トンを1キロメートル輸送することで得る収入の平均)も前年度比4.1%減の2.32香港ドルだった。
グループ全体の年間燃料費は、運航スケジュールの調整、輸送能力の削減、燃料効率に劣る旧来型運航機材の駐機措置、高い燃料効率の最新鋭機材投入などによって、燃料ヘッジの効果を除いても前年より4.6%減少した。
一方、キャセイパシフィック航空は、2013年にエアバスA330-300型機を5機(うち1機は香港ドラゴン航空)、ボーイング777-300ER型機を9機、ボーイング747-8F型貨物専用機を5機の計19機を新たに受領した。同時に、ボーイング747-400型旅客機5機を退役させた。
2013年3月にはキャセイパシフィック航空、ボーイング、中国国際貨運航空、中国国際航空との間で交わされた貨物専用機に関する包括的契約で、ボーイング747-8F型貨物専用機3機を購入・受領した。また、ボーイング777-200F型貨物専用機8機の購入契約の破棄、ボーイング777-200F型貨物専用機5機のオプション購入、ボーイング747-400BCF型機4機の売却で合意した。
2013年12月にはボーイング777-9X型機(2020年より受領)21機、ボーイング777-300ER型機3機、ボーイング747-8F型貨物専用機1機を新たに発注すると同時に、6機のボーイング747-400F型貨物専用機の売却を決定。
キャセイパシフィック航空グループは、2013年12月31日の時点で、2024年までに受領する合計95機の機材の確定発注を済ませており、2014年には計16機の新機材の受領が予定されている。