『eKスペース』は三菱自動車と日産自動車が共同出資した、NMKVの開発による軽自動車の第2弾。「スペース」の名からも想像できるように、スーパーハイト系のユーティリティモデルだ。
全長×全幅は3395×1475mmで軽自動車枠ギリギリ。これはどんな軽自動車でも同じ大きさだ。全高は1775mmとかなり高い。この全高から得られる室内高は1400mmと高く、小学校高学年までは車内で立つことができるほどの寸法を誇っている。実際、運転しているときはかなり天井が高く、ルーフコンソールをつけても十分に余裕があると感じてしまう。
eKスペースに搭載されているエンジンは660ccのターボと自然吸気。ターボエンジンは低速からしっかりとしたトルクを発生する特性で、発進から加速はもちろん追い越し加速も気持ちがよくスッキリとした乗り味。組み合わされるミッションがCVTということもあり、加速感はシームレスだ。100km/h時のエンジン回転数は2200回転で、定常走行時のノイズも小さく静粛性は高い。
ハンドリングも安定感にあふれたもので、車高の高さをあまり感じさせないもの。『eKワゴン』ではハンドリングに違和感を感じる場面もあったが、このeK スペースではそうした違和感もなく素直で扱いやすかった。全体として細かい部分まで見直してリフレッシュされている印象だ。
リヤシートは左右独立してスライドが可能な設定で、2アクションで独立してフラット化が可能。フロントシートを最後部まで下げているとフラットにすることはできないが、そこまで後退させのは身長が2mを超えるような人になるであろうから、さほど問題にはならないだろう。
子供がいる家庭にはベストマッチするパッケージのクルマだが、趣味のグッズをたっぷりと積み込んで遊びに行くといった使い方にもよさそう。走りよりユーティリティ性を重視するモデルのようだが、なかなかどうして走りもいい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。