【フォード フィエスタ 試乗】使いやすさは初代から継承し、高レベルのハンドリングを実現…内田俊一

試乗記 輸入車
フォード・フィエスタ
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日本に導入が開始されたフォード『フィエスタ』は38年にも及ぶ歴史を持つ、ヨーロッパを代表するコンパクトハッチバックである。

1976年6月30日、 “ボブキャット”のコードネームで開発されていたフィエスタが、フォード・オブ・ヨーロッパから発表された。ルノー『5』や、VW『ポロ』などの投入により、ヨーロッパの1000ccクラス市場が大幅に拡大していたことから、フォードとしてもその市場を見逃すわけにはいかず、3ドアハッチバック、FWD、975ccから1117ccまで3種類のエンジンバリエーションで市場投入された。

優れた視認性、走行性、燃費効率だけではなく、ゆったりとした室内空間や、ハッチバックによる荷室スペースの広さ、運転のしやすさなどが評価され、いくつもの賞を受賞。日本へは1978年から当時のディーラーであった近鉄モータースや、ニューエンパイヤモーターなどの手で多くの台数が輸入された。

その後フィエスタは、この性格を代々受け継ぎながら現在6代目に至り、(日本では時々輸入されない時期もあったが)、今年の2月1日よりこの6代目の日本導入が開始された。排気量は997cc、3気筒ターボエンジンは100馬力を発揮。初代から受け継ぐ運転のしやすさ、使いやすさはそのままに、近年のフォードの特徴であるハンドリングの楽しさがプラスされたのが新型フィエスタと考えて良いだろう。

実際にプッシュボタン式のスタートボタンを押し、セレクターレバーをDに選びアクセルを踏み込むと、アクセルの初期応答性の高さも相まって、とても小排気量とは思えないくらいの勢いでスタートする。そして、最初の角を曲がった時に、クルマの軽さ(車重は1160kg)と共に、フォードが得意としているきびきびとしたハンドリングが感じられた。

シートはしっかりとホールド性は確保しながらも、しなやかさを持っており、長距離走行時にも疲れは少なかった。唯一気になったのはセンタークラスターのスイッチ類だ。最近では珍しくたくさんのスイッチが配置されており、慣れるまでに少々時間を有した。

燃費は高速、街中半々くらいの走行で約14km/リットルを記録。特に街中では前述のきびきびしたハンドリングと、使いやすいボディサイズにより、楽しく運転することが出来るクルマだといえる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

内田俊一|モータージャーナリスト
1966年生まれ。デザイナーや開発者の言葉を出来るだけ正確に読者に伝えることをモットーに執筆。18年間の自動車関連マーケットリサーチ経験を踏まえ、ユーザーの立場も忘れることはない。また、クラシックカーの分野も得意としている。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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