三菱電機、”少ない操作””短い時間”を徹底追求した車載インターフェイスを開発

自動車 テクノロジー カーナビ/カーオーディオ新製品

三菱電機は2月10日、自動車向けの新たなインターフェースシステム「簡単操作インターフェース」を開発したと発表した。

このシステムは「先回りエージェント」と「タッチ&ボイスHMI(ヒューマンマシンインターフェース)」という2つのシステムと、それを表示する高輝度HUD(ヘッドアップディスプレイ)で構成されている。

現代の自動車には、カーナビ、オーディオ、エアコン、電話など様々な機器が搭載されており、これらの操作はどんどん複雑化している。機器の操作に気を取られ重大な事故に繋がってしまったというケースも過去には発生しており、今後、世界各国では運転中の機器の操作が制限される方向にある。そのような背景から、今回のインターフェースシステムでは、“少ない回数””短い時間”でドライバーの実行したい操作を的確にサポートすることをコンセプトに開発が行われた。


◆ドライバーの実行したい操作を推定する「先回りエージェント」

「先回りエージェント」は、ドライバーの過去の操作履歴と、現在位置や天気、渋滞などの運転状況から実行したい操作を推定し、推定結果の上位3つをHUDとメーター間のディスプレイに表示。推定結果それぞれが割り当てられた”3択ボタン”でドライバーが選択を行うシステムである。これにより実行したい操作を1回で済ますことができ、”少ない回数””短い時間”で操作を完了することができる。

三菱電機 デザイン研究所 インターフェースデザイン部 部長の藤本仁志氏によると、この推定エンジンは三菱電機オリジナルであり、回数をこなしある程度履歴が残れば、かなり高い確率で推定ができるという。

では、ドライバーが実行したい操作が3つの候補内に存在しない場合はどうするのか。その場合、別に設けられた4つの”機能ボタン”を押すことにより、表示されていない推定候補3つを繰り上げ表示することができる。

例えば、音楽を選択したい場合、ドライバーが4つの機能ボタンの中から音楽ボタンを押し、音楽に関する3つの推定結果をディスプレイに表示、その中からドライバーがチョイスすると仕組みになっている。デモンストレーションでは、ディスプレイに3つのラジオ局が表示されていた。この場合でも、全体のキー操作は2回で済ますことができる。


◆一回の音声入力で操作を実行する「タッチ&ボイスHMI」

「先回りエージェント」では2回以内で操作が完了してしまうが、それでも表示しきれない場合がある。「タッチ&ボイスHMI」では音声認識技術を使って実行したい操作を入力することができる。

音声入力は日本人には抵抗のあるシステムかもしれないが、欧米では安全性の観点からかなり積極的に導入されており、様々なクルマに搭載されている技術である。

三菱電気が今回開発した「タッチ&ボイスHMI」は、4つの”機能ボタン”それぞれに関連付けられた音声操作を行い、アドレスに登録された人名などのローカルな情報を処理するカーナビ側、膨大なデータを処理するクラウド側の双方が連携することで、認識率を高めているのが特徴である。

仕組みはこうである。音楽の選曲を行いたい場合、4つの”機能ボタン”から音楽ボタンを押し「何を聴きますか?」というアナウンスの後に曲名を喋るだけで操作が完了する。この場合、操作は1回、発話が1回である。

目的地を設定したい場合は、ナビボタンを押し「どこへ行きますか?」のアナウンスの後に目的地を発話、ディスプレイに表示された3つの目的地候補から”3択ボタン”で選択、目的地の設定を行う仕組みである。この場合でも、操作は2回、発話は1回で完了する。

このシステム、方言によるイントネーションの違いもかなり高い確率で認識することができるそうだ。


◆2018年以降の事業化を目指す

従来タッチパネルでの操作の場合、15回もの操作回数と50秒ほどの操作時間がかかっていたが(三菱電気社製従来機種)、「先回りエージェント」と「タッチ&ボイスHMI」の2つの組み合わせにより、操作回数が2回、操作時間は15秒以下と大幅な改善をしており、システム全体で安全性を追求しているのが特徴である。

三菱電機の発表によると、今後は推定精度の向上、認識率の向上をはかり、OEMで1つのパッケージとして2018年以降の事業化を目指しているという。
《橋本 隆志》

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