サバ州北東部ピタス郡の遠隔地で、プロテスタントであるドスン族の村人33人が、「クアラルンプール(KL)から来た人たち」によって「補助金」をエサに集団でイスラム教に改宗されられるという事件が起きていたことが分かった。
村人たちは騙されたものであって自発的ではないと主張。改宗は無効だとして、教会での礼拝を続けているという。
事件があったのは人口100人あまりの寒村のラユン・マリアウ集落で、「KLから来た人たち」によって生活費補助が行われるとの説明を受けた。彼らが何者でどういう理由で補助してくれるかという説明はなかったが、現金収入のほとんどない村人は「800リンギもらえる」との話ですっかり有頂天になってしまったという。
村人たちはピタス役場に出向く必要があると言われ手配された車で向かったが、行先は役場でなくモスクで、食事を振る舞われた上にある書類への署名を求められた。村人は全員文字が読めなかったために文書がどういう内容か分からなかったが、署名した後にイスラムに改宗したと宣言され、一人当たり大人100リンギ、子供50リンギの入った封筒を渡されたという。
キリスト教の非政府組織は、こうした詐欺行為に気をつけるよう人々に警告する一方、騙された村人支援のために弁護士を雇って改宗無効の訴えを起こしているという。なお「KLから来た人たち」の正体については政治的な理由からか明らかにされていない。