エコノミック・インテリジェンス・ユニットの分析
イギリスの週間新聞で主に国際政治、経済を扱う「エコノミスト」誌の調査部門にあたるエコノミスト・インテリジェンス・ユニットが全世界150か国を対象に2014年中に社会的トラブルが勃発するリスクの予想を発表した。この発表を受けAgence Ecofinなどアフリカ情勢を扱う複数のメディアはアフリカ諸国について報じている。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニットが発表した「2014年中、社会的トラブルによるリスクが最も高い国」というカテゴリーに入ったアフリカ諸国は、エジプト、ナイジェリア。次いで「2014年中、情勢が不安定な国」というカテゴリーに入ったのはモロッコ、アルジェリア、チュニジア、南アフリカ。image by patrick janicek (画像はイメージです)
貧しいから高リスク、というわけではない
エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのアナリストによると、最も貧しい国が最もリスクが高い、というわけでもないのだという。つまり収入の減少や失業者の増加が必ずしもリスクを招くというわけではなく、いくつか他の要因が存在するという。
社会的緊張が高まる決定的な要因として挙げられるのは、収入格差、ガバナンスの脆弱性、汚職、社会保障制度のレベルの低さ、民族間の対立だという。
チュニジア、モロッコ、エジプトをはじめその他の南米、東欧諸国ではこの1年で反政府デモが頻発した。アナリストらは、社会的トラブルが広がる背景には市民の経済的困窮の現状とその解決にあたるべき政府との間に大きな温度差が存在している、と分析している。