神戸製鋼、40億円投じて厚板工場の加速冷却設備を改造…エネルギーや造船向け高機能鋼板の供給体制強化

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神戸製鋼所は、加古川製鉄所にある厚板工場の加速冷却設備を改造する設備投資を決定した。

2014年7月に設置工事を始め、2015年3月に完成する予定。総投資額は付随する設備と合わせて約40億円となる。

今回の投資により、今年1月に稼動した新熱処理炉、2014年4月稼動予定の溶銑予備処理設備と合わせて、エネルギー分野向けオンリーワン製品の拡販体制を整える。

今後、現状で厚板全体の約10%のエネルギー分野向け比率を30%まで高め、造船分野・建材分野と合わせた3本柱を中心とする強固な事業体を目指す。

厚板事業は、原料価格の高止まりと製品市況の低迷、中国・韓国での厚板生産能力の大幅な増強などで厳しい事業環境が続いている。一方で、新興国を中心にエネルギー需要が増大していることや、北米でのシェールガス革命により、石油やガスを生産・輸送する海洋構造物、パイプラインの市場は継続的に拡大していく見込み。こうしたトレンドに対応するため、同社では、海洋構造物用鋼板やラインパイプ用鋼板の開発と拡販を進めている。

海洋構造物やラインパイプに使用される鋼板の多くは、圧延直後の加速冷却設備で鋼板全体を高速で均一に冷却し、冷却温度域を高い精度で管理することで組織微細化を行い、破壊に対する高い安全性確保、良好な溶接施工性を実現している。

今回既存の加速冷却設備を、水冷ノズルを配置し、鋼板に近づけるとともに、水を高圧で噴射する方式に改造することで、鋼板の均一冷却に適したものとし安全性確保と良好な溶接施工性の双方を実現する。これによりエネルギー分野向けを拡販し、造船や建材分野向け製品についても高機能化していく。

《レスポンス編集部》

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