新日鐵住金は、アルセロール・ミタル(AM)とともに、ティッセン・クルップの米国にある自動車鋼板製造拠点を共同で買収することで合意したと発表した。
新日鐵住金とAMは、買収後は50%ずつ出資し、合弁事業で運営する。買収金額は約15億5000米ドル(約1550億円)となる見込みで、2014年中ごろまでに取得手続きを完了する見込み。
ティッセンクルップの米国工場は、米国南部アラバマ州カルバートに立地する熱延・冷延・溶融亜鉛めっき製品の製造拠点で、熱延ライン、酸洗・冷延ライン、連続焼鈍ライン、溶融亜鉛めっき3ラインを保有する。
新日鐵住金は、米国インディアナ州でAMと冷延鋼板と表面処理鋼板を合弁生産し、高級・高品質の鋼板を自動車メーカーを始めとする顧客に供給している。今回のAMとの新たな合弁事業により、北米、特に米国南部の自動車鋼板市場の拡大に対応して供給力を強化するとともに、特に日系自動車メーカー各社からニーズの高い高強度で成形性の高い超ハイテン(高張力鋼板)へのニーズや、従来の冷延・めっき鋼板に加えハイテンを含む熱延鋼板の現地調達ニーズに対応する。
新日鐵住金は、自動車鋼板のグローバル供給体制の確立を目指し、自動車鋼板製造拠点を拡充してきた。今回の合弁事業により、米国で製造・供給体制を確立し、自動車メーカーのニーズに的確に対応していくとしている。