ホンダが11月22日に発売した新型軽乗用車『N-WGN』は、開発から部品調達、生産、営業の各部門が鈴鹿製作所に集結して製品開発を行うSKIと名付けられたプロジェクトの第1弾モデルとなっている。
N-WGNの開発責任者を務める本田技術研究所四輪R&Dセンターの人見康平主任研究員は「本当に鈴鹿にいった時にはどうなるかと思った」と振り返りながらも、「鈴鹿にいって一体となってやることでかなりコストダウンできた。数万円は下がった」と明かす。
具体的には「購買部門から、こういうものが安いとか、こうしてくれればもっと良くなるという意見が設計段階から入ることで開発側も採用しやすくなるし、結果的には安く買えるようになる。同様に工場のラインも造りやすくなる。一体になってやってみて、バラバラで動いていたことによって生じていたロスがみえるようになった。そのことがコストダウンにつながった」と語る。
また「製作所の中に実験装置も造った。衝突実験などまだできないものもあるが、半分くらいは鈴鹿でやった。環境試験では最新の設備を入れた」とも述べた。
その一方で「ただあまりそれをやりすぎると、ホンダの良さがだんだん薄れてしまうから、それは何かコーディネーションは必要になる」とも指摘。「とはいえ軽を造ることを考えたら各部門が一体になっていることによって良くなる部分というのはかなりある。それがリーズナブルにできている一番の要素」と説明した。
SKIとは「鈴鹿、軽、イノベーション」の頭文字をとったもので、開発から部品調達、生産、営業の各部門が生産現場である鈴鹿製作所に集結して『すべて鈴鹿で解決する』という取り組み。