調査・マーケティング会社のイードは、登録車から軽自動車へ乗り換えたドライバーを対象に、「軽自動車に関する意識調査」を実施、その結果を発表した。
◆軽自動車に求めるのは、一にも二にも「経済性」
調査は、登録車から軽自動車へ乗り換えた全国20~70代の男女を対象に、10月31日から11月5日にアンケートを実施、500人から回答を得た。
軽自動車を購入する前にどのようなところに期待したかを聞いてみたところ、最も期待度が高かったのは「経済性」(83.6%)、次いで「運転のしやすさ」(68.4%)、「実用性」(62.0%)となった。購入前に軽自動車を選択する理由として、やはりコスト軽減への期待感が強いようだ。
◆軽自動車購入ユーザーの評価が高いのは「運転のしやすさ」
次に、軽自動車を購入した後、どのようなところに満足しているかを聞いてみたところ、最も満足度が高かったのは「運転のしやすさ」(76.8%)だった。次いで、「経済性」(72.4%)、「実用性」(68.6%)という結果となった。これらの項目は期待度でも上位にランクされており、「経済性」は期待度に比べてポイントは下げているものの、相対的には高い満足度となった。
また、軽自動車を「スライドドアの背高軽自動車」「普通(ヒンジ)ドアの背高軽自動車」「従来型(背の低い)軽自動車(2ボックス)」の3つに分類し、ボディタイプ別の満足度を調べたところ、「スライドドアの背高軽自動車」が、「デザイン」(77.6%)、「実用性」(77.6%)、「居住性」(69.6%)の3項目で最も高い満足度になった。「普通ドアの背高軽自動車」は「運転のしやすさ」(81.8%)、「従来型(背の低い)軽自動車」は「経済性」(76.9%)でそれぞれ最も高い満足度となった。
◆熾烈極める“モアスペース”カテゴリー、軽3強に日産・三菱連合が挑む
軽自動車は、ダイハツ『タント』、スズキ『スペーシア』、ホンダ『N BOX』といった、いわゆる「スーパーハイト」あるいは「モアスペース」と呼ばれる新カテゴリーの車種登場が相次ぎ、販売台数ランキングの上位常連となっている。
今回の調査では「スライドドアの背高軽自動車」がモアスペースに相当するが、これらは軽自動車税制面のメリットだけでなく、高い着座位置による運転のしやすさ、両側スライドドア採用による利便性、そして背高スタイルによる優れた居住性・積載性といったファーストカーとしてのニーズを満たす実用性を兼ね備え、消費者からの高い評価を得るに至っている。
今回の調査結果を見ると、モアスペース軽自動車のユーザーは「前席回りの広さ」「後席回りの広さ」「天井の高さ」などの居住性で8割近い満足度を示しており、購入者は実際に乗ってみて期待以上の広さを実感していることが分かる。
特にホンダ N BOXの大ヒットを受けて10月に登場したダイハツのタントは、N BOXにはない前席ロングスライド機構や後席リクライニング機構などを備え、これらライバルにはない機能性を中心に積極的な訴求を図っている。
また、先頃開幕した東京モータショーでは、日産と三菱の合弁会社NMKVが生産する日産『デイズ ルークス』と『eKスペース』が披露され、同カテゴリーへの本格参入を明らかにしており、今後ますます販売競争は熾烈になると考えられている。