【達人に聞く! スマートなSUV購入術】中古車価格で見る、カテゴリー別“値が下がりにくい”車種

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中古車店(カーロッツ狭山:参考資料)
  • 中古車店(カーロッツ狭山:参考資料)
  • トヨタ ランドクルーザー プラド TZ-G
  • クラウン(旧型)
  • トヨタ マークX
  • ランドクルーザー
  • トヨタ・ヴェルファイア ゴールデン アイズII
  • トヨタ・プリウス
自動車には「セダン」「クーペ」「ミニバン」「ステーションワゴン」などのように、車形別にさまざまなジャンル・カテゴリーが存在するのは周知の通り。そのなかでも、「SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)」は比較的新しいジャンルといえる。


◆1990年代後半から拡大を続けるSUV市場

1990年代前半までは、SUVという名称はほとんど使用されず、バブル期にかけて爆発的にヒットした三菱『パジェロ』のような、ラダーフレームを持つトラックベースの本格クロスカントリー車が一世を風靡していた。90年代半ばになると、ホンダ『CR-V』やトヨタ『RAV4』に代表される、エンジン横置き・前輪駆動(FF)車をベースに、車高をかさ上げしたクロカン風スタイルに都会的なデザインエッセンスを加えた“ライトクロカン”なる車種が登場。2000年台前後にはトヨタ『ハリアー』や日産『エクストレイル』といったモデルも人気を集め、SUVという名称が使われるようになり、メディアにも浸透が進んだ。

このSUVカテゴリーは2010年代に入っても続々と新型車が登場しており、ひとつのジャンルとして完全に定着した感がある。

ただ、同じSUVカテゴリーであっても、車種によっては大きく性格が異なるという点が、このカテゴリーのクルマ選びを難しくしている一因といえる。たとえば、セダン/ハッチバックをベースにステーションワゴンのユーティリティを加えて簡易的な4WDシステムを備えた乗用車ライクなものと、ラダーフレームを持ち直結4WDまで可能なヘビーデューティの本格派クロカンとでは、その乗り味は全く別物と言ってもいいだろう。


◆売却時の下取りにも注目を

2013年11月現在、国産メーカーで販売中の車種のうち、SUVにカテゴライズされるモデルは27あり、輸入車を加えれば50モデル以上も存在する。もちろん“自分が欲しい”と思ったクルマを買うというのが当然だが、複数車種で迷った場合は、たとえば「売却時の下取り相場」を条件の1つに加えてみてはどうだろうか。

以前の取材記事でもレポートしたように、売却相場は中古車の販売価格相場とニアリーイコールの関係にある。そこで売却相場を調べるなら中古車相場をチェックするのが手っ取り早い。以下では中古車サイトの相場データをもとに、「スポーツカー」「セダン/ハッチバック」「ミニバン」、そして本特集のメインである「SUV」の4ジャンルの大まかな傾向を見てみたい。


●スポーツカー…値落ちは小幅だが、モデルスパンが長く現行モデルでも安価

国内では市場の縮小著しかったスポーツカーだったが、相場は安定傾向。

国産スーパースポーツの代表、日産『GT-R』は、すでに登場から6年経つが初期モデルでも500万円台と高値を維持している。同じく日産『フェアレディZ』や『スカイラインクーペ』は現行モデルの初期モノが300万円を切る値頃感のある価格帯に落ちてきており、取引が活発化。レクサス『IS F』は発表の2008年モデルに300万円代後半もチラホラ出ており、こちらも魅力的なゾーンに入ってきた。ホンダ『CR-Z』は登場から3年余りしか経っていないがボリュームゾーンは150万円前後。最安価格帯には120万円を切るものも。

ある中古車店のスタッフによると、「スポーツカーはモデルスパンが長いため、現行モデルを中古で安価に購入できるのが魅力。新車価格の半分程度にまで落ち込んでくると俄然在庫の回転が速くなる」とのこと。


●セダン…全体的に寝落ち率大きく、ハイブリッド系もタマ数多数

セダン系市場は緩やかな下降線をたどっているが、中高年層を中心に厚い支持基盤がある。比較的短期間のモデルチェンジでもほぼ確実に代替需要が見込めるため、全体的に見るとセダンの中古車市場は供給過多で値落ちも早い。長期間乗ることを考えれば、安くて程度のいい車両が購入しやすいという意味ではもっとも魅力的なカテゴリーといえるだろう。

たとえば、高級セダンのトヨタ『クラウン』の場合、2007年暮れに登場した旧型は、2.5リットルの「ロイヤルサルーン」系であれば150万円あたりからでも修復歴無し・走行距離5万km以下の良質なタマが探せる。同じ150万円からの価格なら、『マークX』の現行モデル(マイナーチェンジ前)もボリュームゾーンだ。

日産はスポーツセダン『スカイライン』の値頃感が高い。旧型(V36)は初期モデル(2006~2007年)なら100万円を切るタマが多数。ホンダ勢はすでに絶版となった『インスパイア』と『アコード』(旧型)はともに安めの傾向で、いずれも100万円以下から選べる。

ハイブリッド(HV)系の車種に着目すると、エコカー補助金/減税による新車販売へのてこ入れ効果で、現行『プリウス』の在庫量が圧倒的だ。セダン/ハッチバック系としては相場は高め。供給も多いが需要も多い。『アクア』やホンダ『フィット』などHV系のタマも増えつつあるが、価格はこちらも若干高めの推移。


●ミニバン…ヴェルファイアの一人勝ち

相場はトヨタ『ヴェルファイア」の一人勝ち。2008年登録の初期モデルでも質の確かなタマを選ぼうとすると200万円台半ばの予算が必要になる。兄弟車の『アルファード』やライバルの日産『エルグランド』と比較すると、価格の下振れが小さいのが特徴で、残価率は明らかに高い。現行型の登場から7年を経たエスティマも比較的相場は安定しており、とくにハイブリッド系は人気。

『ノア』『ヴォクシー』や『ステップワゴン』『セレナ』といったミドルクラスミニバンは、残価率という点では顕著な差はない。コンパクト系はカテゴリー唯一のHVである『フリードハイブリッド』が高値安定。


●SUV…プラドの人気が突出

注目は『ランドクルーザープラド』。現行国産車のなかで最も値が下がりにくい車種のひとつだ。300万円台前半からという手頃な新車価格ながら、大柄なボディと迫力あるルックスと本格的なオフロード性能、さらには7人乗り仕様もありミニバン的にも使えるオールマイティさから人気を博している。仕様別にみると、V6モデルよりも4気筒モデルで7人乗り・豪華仕様の「TX Lパッケージ」の残価率が高く売却時は有利になりそうだ。

プラドに代表される本格派SUVは総じていずれのモデルも高値安定。本家『ランドクルーザー』も同様だが、もともとの車両価格が高く、買い手が限られることから値落ちはプラドより大きめ。『FJクルーザー』も安定している。

プラドのライバル、三菱『パジェロ』はモデル末期に差し掛かっていることもあり、価格的にはリーズナブル。ショート/ロング、またMTモデルも選べたりと選択肢の幅が広い点は買い手にとって魅力的だ。

これら本格派SUVに比べると、ライトSUVは値落ち幅が大きい。日産『ムラーノ』、トヨタ『ヴァンガード』、ホンダ『CR-V』などは新車価格の割には中古車相場はかなり割安。ただし、『ハリアー』やレクサス『RX』などのハブリッドモデル、『エクストレイル』のディーゼルモデルはガソリン車より多少残価率が高い傾向がある。
《山谷克明》

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