ホンダは11月19日、小型および中型車向け直噴ガソリンターボエンジン「VTEC TURBO」を新たに開発したと発表した。1.0、1.5、2.0リットルの3タイプがあり、まず2.0リットルエンジンを『シビック タイプR』に搭載し、2015年に市場投入する計画。
開発を指揮する本田技術研究所の野中俊彦副社長は「我々が今まで持っていなかったダインサイジングターボを持ったことで、事業の描き方がより大きく描けるようになる」と語る。
具体的には「2リットルターボは、V6エンジンに置き換わるくらいのパフォーマンスを持っている。中国は排気量税制があって3リットルと2リットルでは数十万元税金が違う。ダウンサイズターボに置き換えれば、同じトルクや馬力で売価は数十万元安くできるメリットがある。そういう地域はどんどん2リットルのダウンサイジングターボにV6が置き換わっていく」と説明。
また「日本市場でもありだと思う。ディーゼルよりもダウンサイジングターボの方が合っているし、この先伸びるだろう。自然給気エンジンとハイブリッド車の間にダウンサイジングターボが位置付けられる。ハイブリッドほどは高い売価でなくても燃費はそこそこ良い、ガソリンよりは全然良い。その間を埋めるというのがダウンサイジングターボになる」と語った。
その一方で「事業とのバランスをとらなければいけないので、ダウンサイジングターボができたからといって、これで一気に全部やるというわけにはならない。今造ったばかりの新技術だから高い。量が増えていけばV6エンジンと同じか、または下がっていくと思うが、それには数年かかる」と述べた。