石巻線の浦宿~女川間、2015年春再開目指す…震災から4年で全線復旧へ

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震災前の石巻線女川駅(2006年)。津波被害を避けるため内陸側に約200m移設する。
  • 震災前の石巻線女川駅(2006年)。津波被害を避けるため内陸側に約200m移設する。
  • 震災前の女川駅構内に保存されていたキハ40形気動車(キハ40 519)。車内を畳敷きにした休憩室として利用されていた。
  • 東日本大震災発生から3カ月後の2011年6月、女川町内で見かけた気動車の車体の搬送。女川駅に保存されていたキハ40 519と見られる。
  • 石巻線の路線概略図。小牛田~浦宿間は今年3月までに運転を再開しており、残る浦宿~女川間の2015年春の再開を目指す。

JR東日本と宮城県女川町は10月25日、東日本大震災の影響で運休が続く石巻線浦宿~女川間について、復旧に関する確認書を締結した。女川駅を内陸側に移設し、2015年春の運転再開を目指す。

小牛田(宮城県美里町)~石巻(石巻市)~女川(女川町)間44.9kmを結んでいた石巻線は、2011年3月11日の東日本大震災で全線が不通に。その後、同年5月までに小牛田~石巻間の運転が再開され、2012年3月に石巻~渡波間、今年3月16日に渡波~浦宿間が順次運転を再開した。

残る浦宿~女川間2.5kmは、津波により線路や駅舎が流されるなど壊滅的な被害を受けたことから、女川駅を内陸側に約200m移設してかさ上げすることになり、JR東日本と女川町は2月1日、復旧に関する覚書を締結していた。

JR東日本仙台支社が発表した確認書の概要によると、女川町は駅周辺の造成工事を行い、JR東日本が実施する鉄道復旧工事に支障がないよう引き渡す。また、温浴施設と駅業務施設が一体化となった都市施設を女川町が整備し、駅業務施設は女川町がJR東日本に有償で貸し付ける。交通広場も女川町が整備し、プラットホームとの間は段差を設けずバリアフリー化を図る。

2014年春から軌道やトンネル、信号保安装置などの復旧工事に着手し、女川町の「まちびらき」にあわせ、2015年春の運転再開を目指す。女川駅の移設により復旧区間の距離は約2.4kmとなり、営業キロベースでは0.1km短縮されると見られる。

《草町義和》

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