【アウディ S8 試乗】滑らかで速い走りの上質さ…松下宏

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アウディS8
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アウディのSモデルの頂点に立つ『S8』は、最新モデルにV型8気筒4リッターエンジンを搭載する。従来はV10エンジンを搭載していたことを考えると、今やSモデルもダウンサイジングによる効率重視の時代である。

ボディの基本はA8と同じながら、専用のサスペンションを採用するため全高はわずかに低い。全長は5mを超え、全幅も2mに近く、堂々たるフラッグシップセダンの雰囲気を持つ。

室内空間のラグジュアリーさやクォリティの高さはさすが。定評あるアウディの、それも最上級車にふさわしい仕上がりだ。本革や木目などの自然素材を金属や樹脂などと上手に組み合わせている。

直噴ツインターボ仕様の搭載エンジンは、スタート/ストップ・システム(アイドリングストップ機構)はもちろん、シリンダー・オンデマンド(気筒休止システム)を備えている。382kW/650Nmという圧倒的な動力性能を発揮すると同時に優れた環境性能も合わせ持つエンジンだ。

新たに採用された気筒休止システムは高級車らしくとてもスムーズに切り替わる。というか、インパネ内の表示を見ていないと、4気筒で走っているのか8気筒で走っているのかが分からない。走行状況に応じて自動的に切り替わる。

S8の走りはとにかく力強い。余裕の動力性能発生するツインターボエンジンが、アルミ製のスペースフレームを採用した軽量ボディ(といっても2トンを超えるが)に搭載されているので、走り出しからしてとても滑らかで力強い。

走りの滑らかさというか上質さを感じるのは、4輪駆動のクワトロであることも関係している。圧倒的な動力性能が4輪を通じて路面に伝えられることで、妙な荒々しさを感じさせないのが良い。2WD車にはない独特の滑らかさだ。

これは加速が鈍いという意味ではない。アクセルを踏み込めば、しっかりこたえてくれる。滑らかな中にもたちまちのうちに速度に乗っていく。

S8の価格は1580万円で、ハイパフォーマンスを備えた高級車らしいもの。メルセデス・ベンツのAMGやBMWのMモデルとは異なるパフォーマンス車が欲しいユーザーには、リーズナブルな選択肢となる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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