気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2013年8月6日付
●大企業設備投資10%増、今年度計画、非製造業は22年ぶり、政策投資銀調査(読売・1面)
●情報の信頼度「新聞」トップ57%、経団連系団体が調査(読売・2面)
●TPPに注文 本格化 業界団体向け説明会 (読売・8面)
●車中泊苦じゃない、専用グッズ充実(読売・15面)
●沖縄で米軍ヘリ墜落(朝日・1面)
●ベンツEクラス新型発表 (東京・7面)
●東芝が半導体新工場、米サンディスクと4000億円投資(日経・1面)
●ニッポンの製造業、トヨタ自動車、転機になった証人席(日経・1面)
●自動走行、高速道で、国交省が工程表案、3段階で実現(日経・5面)
●新興国・LCCで競う、ボーイング787効果、納入急増(日経・7面)
●ダイハツ、現地調達拡大、インドネシア新ライン(日経・13面)
●ホンダと資本関係解消、日本プラスト(日経・13面)
ひとくちコメント
「ホントかな?」、自動車などの企業を取材していると実感が伝わってこないのが「大企業設備投資10%増」という日本政策投資銀行の調査結果である。
同銀行の調査によると、2013年度の全産業の国内設備投資は15兆9454億円と12年度実績から10.3%増。製造、非製造業ともに前年度実績に比べて2ケタの増加を見込んでいるそうだ。
きょうの読売、産経が1面で大きく掲載。「沖縄米軍ヘリ墜落」を1面トップで報じた朝日、毎日、東京は経済面での小さな囲み記事扱いである。
各紙の掲載の “温度差”はともかく、このニュースのポイントは、コンビニなどの小売りや不動産など非製造業が10.1%増と、バブル期の1991年度以来、22年ぶりの2ケタの伸び率を見込んでいることだ。
製造業も10.6%増となる計画だが、日経によると「『生産能力の増強は長期的に需要の伸びが見込める海外にシフトする』(トヨタ自動車)という企業が多いのが実情」などと伝えている。
その裏付けとして、海外設備投資は25.9%増の5兆円を超える。きょうの紙面をみても、ダイハツ工業がインドネシアでエンジンを年20万基生産する新しいラインを導入する投資計画を発表している。
読売は「アベノミクスへの期待に伴う円安・株高効果が企業の投資意欲を喚起し始めた」と強調しているが、国内の設備投資に関しては、エコカー向けのバッテリ設備などの増強を除くと自動車関連はけん引役にはなっていないようだ。