【スーパーフォーミュラ 第4戦】中嶋一貴、好内容のポール・トゥ・フィニッシュで今季初優勝

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優勝直後のテレビインタビューに答える中嶋一貴。
  • 優勝直後のテレビインタビューに答える中嶋一貴。
  • 左から1-2フィニッシュの舘信秀トムス監督、2位ロッテラー、優勝の中嶋一貴、3位デュバル。
  • グリッドに向かう、中嶋一貴(右)と伊沢拓也。
  • デュバルは決勝3位。(写真:TOYOTA)
  • 5番グリッドスタートのロッテラー、決勝では2位入賞。
  • オリベイラは決勝4位。
  • 4番グリッドからスタートする国本雄資のマシン(決勝は6位)。
  • 第4戦もてぎの表彰式。

全日本選手権スーパーフォーミュラ第4戦ツインリンクもてぎ(栃木県)は4日、決勝日を迎え、ポールスタートの中嶋一貴(#1 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)が52周のレースを全周回トップで駆け抜け、今季初優勝を飾った。

この日もドライコンディションながら、スタート直前に雨がパラつき、やや波乱含みの状況かとも思われたが、今季初勝利を目指すディフェンディングチャンピオンの障壁にはならなかった。「ああいうコンディションに特に強い面々が後ろにいたので、けっこうな試練ではありましたけど(苦笑)」と本人も言うように、いわゆる“チョイ濡れにスリックタイヤ”という状況では外国人ドライバー勢が強いのが常。ポールの一貴の背後に居並ぶ、予選2位ロイック・デュバル(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)、同3位ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 Lenovo TEAM IMPUL/トヨタ)、そして同5位アンドレ・ロッテラー(#2 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)といったところの猛攻が予想されたが、一貴はそれを完封して見せる。

雨の影響は短期的かつ軽微だったとはいえ、見事なパフォーマンスであったことに間違いはない。TOM’S舘信秀監督の「3人が強いかな、と思われた序盤の状況で中嶋くんが彼らを抑え、そして勝った。これはとても大きいことだと思います。今日は何も言うことはないですね」との総括が、この日のレースのすべてだった。過去4シーズンのチャンピオンによるトップ4独占状況は、ピットインによる変動以外は終始変わらず、その序列もオープニングラップ終了以降は一貴~ロッテラー~デュバル~オリベイラの順で動かなかった。なかでも一貴は、ピットインした周さえ後続に首位を譲らず、全周回トップ、ポール・トゥ・フィニッシュを成し遂げた。

「徐々に(ロッテラーらを)離して勝つことができました。これ以上ないレースだと思います」と言う一貴だが、光ったのはレースパフォーマンスだけではない。実は予選日もこの日も、朝のフリー走行ではマシンの手応えが「いまひとつ」の状態でありながら、そこから「(セッティング面で)できる限りのことをして、午後(予選/決勝)に臨みました」。その結果がポールと優勝だったのだ。この“現場対応力”も、担当の小枝正樹エンジニアともども賞賛されるべきところ。唯一、ヒヤリとしたのはタイヤ交換時に右フロントの作業が少し手間取った時だが、これも大きなロスにはつながらず、流れがいい時というのはこういうもの、という典型のようなレースだった。そしてその流れをつくったのは、ドライバーである一貴が「ミスなく、いい走りができた」からこそ。だから「すべてがうまく回りました」。自身の総合力の高さを示す、素晴らしい内容の通算4勝目だった。

2位はロッテラーで、3位がデュバル。オリベイラは終始単独走行に近いかたちになっての4位。5位にはホンダ勢最上位の小暮卓史(#32 NAKAJIMA RACING)が入り、予選4位だった国本雄資(#39 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)は6位。

8月末の韓国インジェ戦中止に伴う代替開催については依然調整中で、おそらく次戦は9月28~29日の宮城県・スポーツランドSUGO(本来の第6戦)になる。逆転2連覇に向けて連勝を狙う一貴、その走りに次戦も注目が集まる。

《遠藤俊幸》

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