NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第9戦「American Ethanol 200」が7月13日に米国中部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで開催された。
同日、ニューハンプシャーでネイションワイド・シリーズ戦が行われていることもあり、今大会はシリーズレギュラーと若手によるレースとなった。アイオワでは昨年よりトラック・シリーズ戦が年2回行われているが、ティモシー・ペターズが昨年夏の大会を制している。
13日決勝を前に17時から予選が行われ、ルーキーのジャーマン・キロガがメキシコ人ドライバーとして初めてポールポジションを獲得。17歳のルーキー、エリック・ジョーンズが7番手、ジョニー・ソーターが8番手、ジョーイ・コールターが9番手、ペターズが10番手につけ、10台の“トヨタ タンドラ"が決勝に進んだ。なお、21番手グリッドのダレル・ウォレス・Jr.は予選後に規定外の調整を行ったため、最後尾からスタートを切ることとなった。
予選に続き19時47分、0.875マイルオーバルを200周(175マイル:約280km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。ポールポジションのキロガは好スタートを切り首位をキープ。ソーター、ジョーンズ、ペターズ、コールター、クラフトンらがポジションを上げ、トップ10圏内で上位を争った。
55周目にコース上の異物でこの日初めてのイエローコーションが出されると、全車ピットへ。キロガは一つ順位を落としたが、ペターズが好ピットでキロガに続く3位に浮上。しかし、再スタートが切られてまもなく、キロガは後続に接触され、車両右後部にダメージ。ハンドリングにも不調をきたし、徐々に順位を落とすこととなった。
その後レースは50周以上にわたってイエローコーションが出ることなく、ペターズが2位、ジョーンズが3位で首位を追走。112周目、8位を争っていたソーターが壁にヒット。イエローコーションが出され全車ピットへ。ここで好ピットに助けられペターズが首位に浮上。ソーターは修復のため首位と同一周回最後尾の16位に後退。
再スタート直後に中団グループでクラッシュが発生。連続でのイエローコ-ションとなったが、そこからの再スタートで、3ワイドバトルの末に、ペターズは首位陥落。それでもトップ5圏内はキープし、ジョーンズと共に逆転のチャンスを待った。
168周目、13位走行中のウォレス・Jr.がスピンを喫しイン側のダートにコースオフ。イエローコーションとなり、全車最後のピットへ。ここで、ジョーンズ、ペターズ、コールターら5台がタイヤ2本を選択。ペターズは好ピットで2位へとポジションを上げた。最前列アウト側のペターズは再スタートをを決め、首位に浮上。しぶとく食い下がるライバルとのマッチレース状態となった。
残り11周というところで、9位を争っていたキロガがライバルと接触、キロガはかろうじて立て直し、順位もキープしたが、相手がスピンしイエローコーション。レースは残り6周での再スタートとなった。首位のペターズはイン側を選択し、再び見事なスタートダッシュを決めた。3位でペターズの後方に続いていたジョーンズもこの機にイン側から先行車をパスし、2位浮上。勢いに乗るジョーンズは、ペターズを上回るペースで追い上げ、ファイナルラップはテール・トゥ・ノーズ状態にまで迫ったが逆転は叶わず。ペターズが今季初優勝を飾った。
健闘を見せたジョーンズは2位。トラック・シリーズにデビューして僅か3戦目の17歳ルーキーが、見事自己最高位でのフィニッシュを果たした。ジョーンズはデビューからの3戦全てでトップ10フィニッシュを続けている。6位にポイントリーダーのクラフトン、8位に後方スタートから追い上げたウォレス・Jr.、9位にコールターが入った。17歳のジョーンズ、23歳のコールター、19歳のウォレス・Jr.と、若きドライバーが活躍を見せた大会となった。
ランキングではクラフトンが6位と着実にポイントを稼ぎ、2位との差を38ポイントへと広げた。ソーターの5位は変わらず。優勝したペターズは8位へと2つポジションを上げた。
次戦第10戦は7月24日に米国北部オハイオ州ロスバーグのダートオーバル、エルドラ・スピードウェイで開催される。
■第9戦 American Ethanol 200 決勝結果
1位:ティモシー・ペターズ トヨタ
2位:エリック・ジョーンズ
3位:ジェームス・ブッシャー シボレー
4位:ロン・ホーナディ.Jr シボレー
5位:チェイス・エリオット シボレー
6位:マット・クラフトン トヨタ
■ドライバーズポイント
1位:マット・クラフトン トヨタ 357P
2位:ジェブ・バートン シボレー 319P
3位:ジェームス・ブッシャー シボレー 317P
4位:タイ・ディロン シボレー 309P
5位:ジョニー・ソーター トヨタ 272P
6位:ライアン・ブレイニー ダッジ 290P
■マニュファクチャラーズポイント
1位:トヨタ 68P
2位:シボレー 59P
3位:フォード 44P
4位:RAM 24P