ロッキード・マーチン 次世代測位衛星GPS III試験機の実証試験を完了

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コロラド州デンバーのロッキード・マーティン社衛星開発施設で受動相互変調歪試験、電磁適合性試験にのぞむGPS III試験機GNST
  • コロラド州デンバーのロッキード・マーティン社衛星開発施設で受動相互変調歪試験、電磁適合性試験にのぞむGPS III試験機GNST
  • GPSジャミングへの対応を強化し、欧州Galileoとも互換性を持つGPS III衛星(イメージ図)

7月10日ロッキード・マーチン社は、開発中の次世代測位衛星 GPS III非フライトモデル試験機(GNST)で、一連の試験を無事に完了したと発表した。

GNSTはGPSIII衛星フライトモデルと同サイズ、同じ機能を持つ試験機。GPSIII1号機(SV1)の打ち上げを前に、試験機で熱真空試験、受動相互変調歪試験、電磁適合性試験など各種試験を問題なく終了した。間もなくGNSTはコロラド州デンバーのロッキード・マーチン工場からフロリダ州ケープカナベラルの米空軍施設へ移送され、さらなる調整を受けるという。

ロッキード・マーチン社はGPS III1号機から4号機までの製造を受注している。また、米空軍と5号機から8号機まで固定価格での調達契約も結んでいる。

GPSIIIは、GPS近代化衛星ブロックIIR-M、ブロックIIFに続いて2014年ごろから打ち上げを目指す次世代測位衛星。GPSIIで追加された民生用信号L5に加え、欧州の全地球測位衛星システムGalileoと互換性を持つ民生用信号、L1Cに対応する予定だ。設計寿命を越えて稼働している旧型GPS衛星を置き換え、測位精度の向上も目的としている。衛星の軌道上寿命は最大15年に延びる。また、打ち上げコスト削減のため、アトラスVロケットでの2衛星同時打ち上げ(デュアルローンチ)も検討されている。

《秋山 文野》

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