商船三井、CO2排出を低減する帆装装置の試作機を開発

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三井造船など「パワー・アシスト・セイル」プロトタイプで実証実験
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商船三井は、実船搭載可能な実機スケールの新型帆装装置のプロトタイプを製作し、三井造船大分事業所内で6月から陸上での実証試験を開始したと発表した。

同社は、三井造船、三井造船昭島研究所、日本海事協会とともに、船舶から排出されるCO2の削減に寄与する新型帆装装置「パワー・アシスト・セイル」の共同研究を実施している。

今回、実機スケールの試作品を完成、実船に搭載して実証実験を行う。

装置は、横風時には飛行機に対してと同様に発生する揚力を、追風時には抗力を、それぞれ利用することで、船舶の補助推進力の増加に寄与する。

帆本体はアルミ合金製、マストと駆動部分は鋼製で、耐久性を確保した。風向・風速、船速、船首方位に応じて最大の推力が得られるよう、帆角度を自動制御する。

荒天時、無風時には、マスト下部を水平に屈曲させて格納可能な機構を設けており、船舶の運航に与える影響を最小限にとどめる。

実船搭載時には、搭載する船舶の規模と、目標とするCO2削減効果に応じて、搭載する基数を調整、適切な帆装システムを実現する。既存の船舶の設計を大幅に変更することなく搭載できることを目指しており、CO2削減効果として2~5%を想定している。

今回の陸上での実証試験により、装置の性能と耐久性を確認するとともに、実船搭載を行うための改良点を抽出する。

同社は単年度経営計画「RISE 2013」の環境戦略の一つとして、CO2排出削減への取組みを進めている。今回の開発はその一環で、今後も環境負荷低減に結びつく技術を積極的に導入していく。

《レスポンス編集部》

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