4人乗りのカブリオレって案外少ないんですよね。しかも、超プレミアムモデル以外のソフトトップのカブリオレって最近はグンと少なくなりました。
というのも、ソフトトップに乗れるのって、うちには屋根がついてカギが掛かる車庫がきちんとありますよ~という主張の表れでもありますから、ソフトトップであるということは、それだけでもうひとつのゴージャスさの証というわけなんです。
なので、『Eクラス』くらいの手頃なサイズと価格の(とはいえ充分大きくて高いけれど)、4人乗りのソフトトップのカブリオレは、思ってる以上に実は貴重な存在。しかもこれがなかなかスゴイ性能の持ち主だったんです。
まずオープンカーというと気になるのが風の巻き込み。この対策として、エアキャップと呼ばれる、40km/h以上で展開、15km/h以下で収納されるウィンドウディフレクターがフロントウインドウ上部に内蔵されており、これがかなり効いちゃうんです。
そして後部座席の風の巻き込みは、乗員数に応じて自動的にリアヘッドレストの間のドラフトストップの位置が調整されるっていうんですから、聞いてるだけで豪華でしょ。やっぱりすべて自動的にというのが、イマドキの高級カブリオレっぽくてたまらないわけです。
もちろん乗り味も本物。アウトバーンで200km/hくらいでオープン状態走行しても、ボディがヨレヨレとかブルブルする感じはまったくなくて、爽快ドライブできちゃいます。
でも、すべてが『SL』並みにはしていないところが、やはりきちんとヒエラルキー化されているんだなぁと、納得させられるところだったりして。ただファーストカーとして使える性能なら、Eクラスカブリオレが上回ってると言えそうです。
悩ましいのはエンジンの選択。軽さと燃費を取るか、パワフルさと重厚さを取るか…。それぞれいいんですよねぇ。これが。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
竹岡圭|モータージャーナリスト・タレント
「クルマ&カーライフを楽しもう!」「クルマとエコと生活と」をモットー&テーマに、自動車専門誌を中心に、女性誌、TV、新聞、ウェブなどさまざまな媒体で、「世界中で書いて・喋って・走って」活躍する女性モータージャーナリスト。ラジオのパーソナリティ、TVのワイドショーやバラエティ番組にも出演する。インプレッションのほか、チャイルドシートやカーグッズ、クルマ旅行など、カーライフ全般を女性の視点からレポートする。国や都道府県、高速道路会社等の審議会や委員会の委員を兼任。自動車大学校の特別講師も務める。モータースポーツでは、ドライバーとして耐久レースやラリーレイドなど数々のレースに参戦する。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J.)理事、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。