日本ガイシは、イタリアの大手送電会社テルナと、電力貯蔵用NAS(ナトリウム硫黄)電池システムの供給で基本合意した。欧州で初めて電力系統に大容量蓄電池が導入される。
日本ガイシは、テルナがイタリア国内の送電系統に導入するNAS電池システムを、最大で出力7万キロワット(7時間放電で容量49万kWh)供給するもの。このうち、初回分として3万5000kW(同24万5000kWh)のNAS電池システムを、約1億ユーロで受注する予定。
欧州ではCO2排出量を削減するため、2020年までに再生可能エネルギー発電の比率を20%まで引き上げることが決まっている。テルナによるとイタリアでの2012年の発電量は、太陽光発電が前年比72%増、風力発電が同34%増と大幅に増加している。
テルナは、再生可能エネルギーを最適に利用するため、保有する送電系統の変電所にNAS電池システムを導入し、電力需給変動への即時対応や電力系統の安定化を図る。再生可能エネルギーは、気象状況の影響を受けやすいことから、電力系統の変動を、NAS電池システムの大容量電力貯蔵能力によって平準化し、電力供給の信頼性を確保する。