三菱重工、PGSから3次元海底資源探査船2隻を正式受注

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三菱重工、3次元海底資源探査船 「RAMFORM TITAN」を受注
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三菱重工業は、ノルウェーの資源探査会社大手ペトロレウム・ジオ・サービス(PGS)から、3次元海底資源探査船2隻を受注し、4月25日に契約を調印したと発表した。

今回の受注は、2011年4月に2隻を受注した契約時のオプションが行使されたもので、完成・引き渡しは2015年前半と後半の予定。これにより同社が建造する探査船は計4隻となり、PGSが手掛ける効率的な海底資源探査サービス事業を支える。

正式受注したのは、PGSが「ラムフォーム・タイタン・クラス」と呼ぶ3次元解析能力を持つ新型の探査船。全長約104mに対して最大幅70mで、静粛性に優れたディーゼル発電設備による電気推進方式を採用している。快適な居住設備と洋上補給のための設備を持ち、長期間無寄港で探査することが可能。

船尾から最大12kmに達する複数のストリーマー・ケーブル(振動センサーを内蔵したケーブル)を曳航し、音源から発した音波が海底面や地層境界に当たって跳ね返ってくる反射波を受信して、地層構造を3次元的に高い精度で解析する。

船尾幅を従来の探査船に比べ大幅に拡張することで、曳航できるストリーマー・ケーブルを最大24本に増やし、一度に広い範囲を探査できるようにした。

三菱重工は、同探査船を長崎造船所(長崎市)で建造しており、第1番船は今年5月、第2番船は12月に完成・引き渡す予定。PGSは、同探査船の長いストリーマー・ケーブルを多数曳航できる能力をフル活用して、地質学的に複雑な海域をはじめとする多様な探査ニーズを開拓する。

三菱重工は、地球深部や海底、海洋などを探査する船舶の建造を手掛けてきた実績を持ち、船舶・海洋事業の成長戦略として、付加価値の高い船舶や海洋構造物に注力する。PGS向け3次元海底資源探査船の建造を通じて、特殊船舶への対応能力を強化し、国内外で特殊船舶の需要を開拓していく。

《レスポンス編集部》

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