トヨタ自動車の内山田竹志副会長は4月17日、同社のハイブリッド車の累計生産台数が500万台を超えたことを受け都内で報道陣と懇談し、「現在、様々な方式のハイブリッドがたくさんの会社からでているが、いくつかのものに収れんしていくのではないか」との見通しを示した。
トヨタが1997年12月に世界初のハイブリッド車として発売した『プリウス』のチーフエンジニアを務めた内山田副会長は、「トヨタのハイブリッドの一大特徴は、実はハードウェアがものすごくシンプル。モーターが2つと、あいだにプラネタリーギアを一対挟んでいるだけなので、ハードウェアとしてはこれ以上シンプルにできないくらいの仕組み」と説明。
そして「システムを選ぶ時に、いくつか候補が残ったが、とにかくハイブリッドというのは燃費を良くするためにやる技術なので、システムの効率が高いものでないといけない。またハードとソフト両方で苦労するようなシステムはなかなか開発が難しく、コストのウェートもハードでほとんど決まってしまうので、やはり将来のことを考えて、ハードウェアはシンプルなものが良いということで選んだ」と振り返った。
また「現在、たくさんの会社からハイブリッドでているが、システム方式は必ずしも同じではなく各社各様といった方がいいくらいで、(トヨタと)違う考え方の方式も当然ある。それが特に顕著なのがスポーツハイブリッドと呼ばれているもので、モーターをターボの代わりに使うくらいの感じで、低速で大トルクを発揮させるという方式」と解説。
その上で、「これが競争の初期段階ではいつも、どんなシステムでも起きるところで、結局これも何回か繰り返していく中で、いくつかのものに収れんしていくのではないか、しばらくは競争」と強調した。