日本自動車工業会の豊田章男会長は3月21日の定例記者会見で、20日発足した黒田東彦総裁ら日銀の新執行部に対し、「日本はこの20年間デフレが続いてきた。その早期脱却に向けて取り組んでいただきたい」と注文した。
豊田会長は、「デフレは今日より明日には物価が安くなるということなので、モノは売れにくくなる」と述べ、デフレが自動車を含む消費の低迷トレンドの一因になっているとの考えを示した。そのうえで政府・金融当局が一体になって「今日より明日はよくなるという希望がもてる政策を」と、語った。
一方で、間もなく発足3か月となる安倍晋三政権については「3本の矢を掲げ、非常にスピード感をもっており、市場からも評価されている」との見方を示した。今後は「成長戦略の取り組みが重要になってくる。民間の活力を積極的に生かす運営をしてほしい」と述べた。