日本自動車工業会の豊田章男会長は3月21日の定例会見で、今年の春闘について「自動車メーカーはほとんどの会社で年間一時金が満額となった」と述べ、安倍政権が目指すデフレ脱却に寄与できる交渉になったとの見解を示した。
豊田会長は、「いわゆるアベノミクスで2%のインフレ目標によるデフレ脱却が掲げられており、賃金が上がらなければ(物価上昇へと)回らないので、その引上げが今春闘の課題だった」と指摘。満額が相次いだ一時金の回答などによって「組合員の生活の安心にもつながることになるだろう」と、評価した。
トヨタ自動車の妥結内容については「一時金のほかにも賃金制度維持分があり、リーマン・ショックや超円高が続いた後も、毎年2%を超える引き上げを行ってきた」とし、今年の場合は一時金と合わせた組合員平均の収入増は「5.5%になる」と説明した。一時金の満額が注目されるなか、定期昇給分に相当する各社のそうした交渉努力についても「理解いただきたい」と述べた。