三井海洋開発は東京ビッグサイトで開催された「スマートエネルギーWeek2013」(2月27日~3月1日)に、浮体式潮流・風力ハイブリッド発電システム「skwid」の模型を公開した。この発電システムは世界初のもので、今年9月から実証実験を開始するという。
「これは50分の1の大きさで、実物は縦50m、横25mになります。他の浮体式風力発電システムに比べてコストが安く、しかも1つのシステムで2つの自然エネルギーを取り込める画期的な海洋発電システムです」と同社関係者は説明する。
その特徴は風力発電の部分が通常のプロペラ状のものとは異なり、羽が直立していること。ダリウス風車型と呼ばれ、めまぐるしく風の向きが変わっても、安定して回り続けるという。しかも、陸上型プロペラ風車に比べて風を多くとらえることができるため、約2倍の発電量が見込めるのだ。さらに、重心が低くなるので洋上での安定性も高く、メンテナンスがしやすいそうだ。
また、下部の潮流発電システム部分はサボニウス水車が用いられており、潮の流れがどちらへ向いても同じ方向で回転し続けるという。そして、縦割りの円筒を組み合わせた特異な形状にし、緩やかな潮流も確実にとらえられるようにした。
「台風が来てもびくともしません」と同社関係者が自信を見せるこの発電システムは、1基で約300世帯の電力をまかなうことができるそうだ。「実証実験ではこの2つの発電システムに太陽光発電も組み合わせようと考えています。そして、ゆくゆくは波力発電も付け加えていきたい」と今後の展開について話す。まさしく1つの装置で4つの自然エネルギー発電ができるわけだ。こんないい発電システムは1日でも早く実用化にこぎ着けてもらいたいものだ。