ホンダは3月3日、ハイブリッド車(HV)用ニッケル水素バッテリーから抽出したレアアースを、ニッケル水素バッテリーとして再利用し、資源を循環させるシステムを確立したと発表した。同様のシステムを確立したのは世界初となる。
ホンダは、これまでも日本重化学工業のプラントで使用済みニッケル水素バッテリーからレアアースを含有する酸化物を抽出していたが、今回、その酸化物をさらに溶融塩電解することで、ニッケル水素バッテリーの負極材にそのまま使用できる金属化されたレアアースとして抽出することに成功した。抽出されたレアアースの純度は99%以上となり、これは鉱山で採掘され通常取引されるものと同等の純度となる。回収率は80%以上としている。
抽出されたレアアースは、ニッケル水素バッテリーに使用する負極材として、日本重化学工業から各電池メーカーに供給され、ハイブリッド車用ニッケル水素バッテリーとして再利用される。供給開始は3月上旬としている。
今回抽出したレアアースは、販売前に新車として東北地方で保管されていたホンダ製ハイブリッド車のうち、東日本大震災の影響で使用できなくなった386台のニッケル水素バッテリーをから抽出されている。今後、販売店での部品交換などで回収した使用済みニッケル水素バッテリーについても、一定数が集まり次第、同様のシステムで再利用を行う。
同社では、今後ニッケル水素バッテリー以外の使用済み部品からのレアアース抽出を目指すとしている。