ケーターハムの新しいチーム代表、シリル・アビテブールは、F1のコンストラクター資格条件を現在よりも緩和すべきだと主張する。
F1チームをコンストラクターとして認定する上で内製を条件とする『リステッドパーツ』がスポーティングレギュレーションに明文化されたのは今年からだ。リスト化されたパーツ使用制限の目的はカスタマーカーを排除することにあるが、パフォーマンス差に大きく影響しないパーツはリストから除外すべきだというのがアビテブールの考えだ。
「リストに挙がったパーツが、F1のショー的要素に影響するのかどうか、あるいは根本的にパフォーマンスに影響するのかどうかを、白紙から再検討してもらいたい。検討した結果が『ノー』であったり、『それほどでもない』となったパーツは、むしろチーム間での融通を積極的に認めて欲しい。レギュレーションというのは白か黒かであり、その内容な常に検討を繰り返すべきだ。レギュレーションの精神などという言葉で簡単に結論付けられては困る」
アビテブールの主張には、現在の経済状況ではチーム間の協力をむしろ促進すべきという考えがある。フェラーリのルカ・ディ・モンテゼモーロが再三主張しているようなフルカスタマーカーの復活には反対だが、チームの経済的負担を軽減するためにはリステッドパーツの最小化が必要だという。
彼の主張は言い換えれば、自動車産業で行われているようなテクノロジーの共有化をF1チーム間でも推進すべきということになる。
「コンストラクターとは何ぞやという議論がコンコルド(FIA)で交わされている。明々白々なカスタマーカーとはならないような、巧いやり方があると私自身は考えている。コンペティションの定義を純粋に捉えれば、談合は一切許されないことになるが、一部分に限ればそれもありだと私は思う。厳しい経済状況の中、各チームのコストを分担し合うことで、F1の基本理念を損なうことなく、負担を軽減することは重要だ」