富士重工業の吉永泰之社長は1月15日都内で開いた新春会見で、米工場の能力を拡充するとともに2016年中に生産車種を追加する計画を明らかにした。新たな生産車種や拡充後の能力、投資額はいずれも3月中にまとめるとしている。
吉永社長は会見後、一部報道陣に対し「私はもともと中期的には円安論者だが、為替によって急に方針を変えたりはしない」とした上で、「アメリカのお客様にこれだけ買って頂いて、その多くを日本から持っていっているという構図になっている。全部現地で造る必要はないが、ある比率は現地で造る方向にしないといけない」と述べ、為替水準に関わらず米国での生産比率を引き上げる考えを示した。
さらに「アメリカのディーラーは、生産能力を拡充してくれればもっと売れると言っている。日本で拡充していると説明しても、中国で売れれば獲られてしまうという言い方もされる。だから、アメリカの能増をするということが、今度はディーラー側もショールームを造るというような具体的な動きにつながる。それを肌で感じているので、為替よりは実需として能増するという方が大きい」と解説した。
また「3月末までに決めたいと言っているのは、5月に全米ディーラー大会があるので、その時にスバルも(能増を)やると決めたから、お店を造ってというメッセージを伝えるため」とも述べた。