安川電機は1月15日、レアアースの一種であるネオジム磁石フリーの電気自動車(EV)駆動用モータを開発したと発表した。
EVモータには、耐熱性と強力な磁力が必要なため、ネオジム、ジスプロシウムなどのレアアースが必要だが、調達できる場所が中国などに偏在していることなどから、価格の変動が激しく安定した入手が困難だ。今回、ネオジム磁石を使用せず入手が容易で安価なフェライト磁石を用いたEV駆動用モータを開発した。
ステータの巻線に平角線を適用することで巻線の高密度化を実現するとともに、ロータの磁気回路を最適化することで、従来のネオジム磁石を用いたモータと同等の外形寸法を実現した。
フェライト磁石を用いたIPM構造で、磁石・コアの形状や配置を最適化することにより、トルク特性を向上、課題となる耐低温減磁性も改善した。ステータの占積率を約30%向上するとともに、製造の自動化が容易な構成とした。また、同社独自の巻線切替モータに適用、高効率特性も併せ持つモータドライブを実現したとしている。
試作したモータの連続出力は45kW、最大出力80kW、最大トルクが200N・m。重量は約60kgで、寸法は250×194×355(mm)。今年9月からサンプル出荷する。
開発した製品は1月16~18日まで東京ビッグサイトで開催される「第4回EV・HEV駆動システム技術展」にパネルで展示する。