【メルセデスベンツ Mクラス 試乗】質感向上に目を見張る…松下宏

試乗記 輸入車

メルセデス・ベンツがアメリカ市場向けに開発し、アメリカで生産する上級SUVのMクラスは、2012年6月にフルモデルチェンジを受けた。

これまでのMクラスは、内外装から走りに至るまで、いかにもアメリカ車的な質にとどまる印象が強かったが、今回のMクラスはいろいろな意味で質感が格段に向上し、メルセデス・ベンツらしいクルマに仕上げられた。

上級SUVらしい堂々たるサイズのボディは、必ずしも日本市場向きとはいえないが、全体に乗用車テイストにあふれた仕上がりなので、幅広いユーザーに対応できるクルマといえる。

ラインナップの中で最も乗用車感覚の走りを示したのはガソリン車の「ML350」で、V型6気筒3.5リッターエンジンと7Gトロニックの組み合わせによるの静かで滑らかな走りは、正に乗用車的。空気圧の高くない18インチタイヤを履くため、乗り心地の面でも乗用車的な感覚を抱かせた。

ディーゼル車の「ML350ブルーテック」も静粛性はガソリン車に劣らない。停車中のアイドリング音を車外で聞くとそれなりにディーゼルエンジンらしい音が聞こえるが、運転席に座っている限りはエンジン音でディーゼル車であることを意思させられることはない。

ディーゼルエンジンの動力性能は圧倒的なトルクが特徴で、これによってガソリン車を上回る走りを実現する。ディーゼルエンジンなので回転の上限は4250回転と低めだが、逆にそれに至るまでの時間も短くなるので、力強い加速を得やすいのだ。

ML350ブルーテックは19インチタイヤを履き、空気圧もやや高めの設定なので、乗り心地は少し硬めの印象もあるが、乗り心地の悪さというよりも安定した走りを感じさせるものだった。

さらに「ML63AMG」になると、アクセルの踏み込みに応じて騒音レベルは高まるし、足回りのチューニングの違いに加え、空気圧の高い21インチタイヤを履くこともあって乗り心地も相当に硬めの印象になる。

それでいて不快感を抱かせるような乗り心地ではないのは、足回りに可変機構を備えていることにもよる。ただ、いずれにしてもAMGであることを意識して乗るべきクルマである。

ML63AMGの動力性能というか走りは豪快そのもので、重量級SUVのボディをぐいぐい引っ張っていく。というか、重さを全く感じさせない力強い走りが可能だ。

車両価格は最も安いガソリンのML350が750万円だが、ディーゼル車が790万円で買えるので、ディーゼル補助金や燃費などを考えるとディーゼル車の方が経済性が高い。AMGには1500万円に近い価格が設定されており、全く別のクルマと考えた方が良い。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★


松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。
《松下宏》

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