トヨタ自動車は12月25日、全面改良した新型『クラウン』を発売した。14代目の開発責任者を務める山本卓氏は「デザインレビューに豊田章男社長が毎回来て毎回駄目出ししていった」ことを明かす。
山本氏によると豊田社長が最もこだわったのが「サイドビュー」という。「サイドビューのスケッチがクレイモデルの横にあって、そのスケッチとクレイモデルを見比べて、まだこの通りになってないって言って何回もやり直しした」と振り返る。
それでも山本氏は「つらくはなかった」とした上で、「例えば僕がこんなの全然駄目だっていうのはなかなか言いづらい。デザインを造っているのをずっと見ているから。でも社長はちゃんとその時に来て、その時の冷静な目で見て、これは駄目だから変えろとかと言われると、それは正しい。社長だから言えることじゃないですかね」と述べた。
さらに「だからスケッチはやはり大切にしている。デザインの魂はまずスケッチに込められている。そのスケッチをいかに再現するかというのが、デザインをする技術であったり、それを支える生産技術力であったりする。だから、やはりある意味クラウンだから、ということでみんながバックアップしようという気持ちがあったから、今回スケッチにより近いところにもっていけた」と語っていた。