杭州 日本茶の原点を見に行く(8)径山茶

径山茶今回は案内してくれる人もなく、汪さんと二人でゆっくりと寺を見て…

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径山茶

今回は案内してくれる人もなく、汪さんと二人でゆっくりと寺を見て歩く。径山禅茶と書かれた建物があったので中を覗く。すると製茶設備一式が置かれており、ここで茶が作られることが分かる。これは究極の手作りと言えるのだろう。きっと美味しいに違いない。

どうしてもお茶を飲んでみたかったが、昨年は開いていた茶店が今年は閉店しているという。何とも残念。代わりに?昼食を寺の食堂で取る。これは昨日の寺と全く同じで喜ばしい。今日のメニューは完全な精進料理。豆腐とわかめのスープ、肉もどきの野菜などが並び、代金はお布施として10元程度を入れる仕組み。

おかずを盛るおばちゃんが、もっと食べな、と大盛りにしてくれ、ご飯もお替り自由だと告げる。この山深い寺でゆっくりとした気分で食事を取る、それは一番の美味しさだろう。だがお茶にはあり付けない。

バスの時間には少し間があったが、バスが来ているか見に行くと、おばさんが声を掛けて来た。お茶が飲めるという。付いて行くと近くの簡易宿泊所と食堂を兼ねた店。そこで出た径山茶は実に美味しく、飲み易かった。水のせいかもしれない。料金は1杯20元。この店にある径山茶で一番高い物でも、1斤、800元程度。龍井茶に比べると格安だ。日本茶の源流、と言われればそうかなと思うほど、飲み易い。

この店には毎年日本人が一人で数日泊りに来るという。新茶の時期に何をするでもなく、日がな茶を飲みながら過ごしているらしい。そんな生活、いいな。しかし無情にも帰りのバスが出る。バスを乗り替え杭州市内へ戻る。全てバスだと僅か16元の旅だった。

杭州 日本茶の原点を見に行く (8) 杭州 径山茶

《須賀 努》

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