東京都副知事の猪瀬直樹氏が11月21日、都知事選に出馬表明した。
5年5か月にわたる副知事としての取り組みをさらに発展させた主要な9つの政策を公表。後継指名をした石原慎太郎前都知事とも、猪瀬氏は国と地方で良好な関係が築いていけると話した。
石原前都知事といえば、環境対策に熱心に取り組み、1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の首都圏ディーゼル車排出規制を実現させた立役者だ。猪瀬氏は環境問題について、どのような関心を持っているのだろうか。
福島原発事故で900万KWの電力が失われているという猪瀬氏は、それを再生可能エネルギーで補うことは不可能とした上で、次のような電力エネルギー政策を提言している。
「東京発のエネルギー改革を力強く進め、低コストで安全、クリーンな電力供給のために全力を尽くします。東京湾でフル稼働している老朽火力発電所を最新鋭の天然ガス火力に置き換えます。島しょ部では、地熱・太陽光・風力などの活用を図ります」
「そこでいちばんの問題は30年、40年の老朽火力発電所がフル稼働していること。それをリプレイスすれば出てくるCO2やNoxの量がぜんぜん違ってくる」
また、現在も猪瀬氏は副知事として三宅島の山林火災に対応している。三宅島の火山噴火による復興に尽力した石原氏は、その一助としてオートバイ・イベント「三宅島エンデューロ・レース」を強力に推進した。6年前のスタート当初は公道レースを目指し安全性を巡って、国内二輪車メーカーとも衝突したこともある。
「(私は)三宅島は泊まるお客さんが限られているから、インターネットで中継すればいいと提案した」とイベントに理解を示したが、具体的な内容については「これから新しいあり方を考えていけばいい」というに留めた。
「東京都民の安全と安心を守るだけでなく、日本の国そのものを東京から支えていく。その重責を自ら担っていく決心をした」と、出馬の意欲を述べ、「(東京を)日本の心臓としてきちっと動かしていくことが求められている」という使命感に燃える猪瀬氏。
自民、公明、維新の会など各党の支援を受け、11月29日告示の知事選を走ることになりそうだ。