気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
●内閣支持最低19%、本社世論調査、危機的水準に(読売・1面)
●米大統領選あす投票(読売・1面)
●クルマ館ドライブ、能登巡るエコな旅、トヨタ、石川県などが提案(毎日・10面)
●経済対策、最大2.7兆円、政府、月内調整、特例公債が前提(産経・1面)
●万里の長城2邦人死亡、60代女性、雪山遭難、1人不明(東京・1面)
●「宅急便」当日配送に、ヤマト、三大都市間、2016年メド(日経・1面)
●欧州商用車、コスト減急ぐ、ダイムラー1000億円(日経・6面)
●賃上げ要求企業に重荷、インドネシア、最低賃金、倍増を主張(日経・7面)
●大洪水から1年、タイ工場能力高めて再建、新設も相次ぐ(日経・11面)
ひとくちコメント
昨日(11月4日付)の朝日の1面コラム「天声人語」を読んで、思わず「頷いた」往年の自動車ユーザーも少なくないだろう。
読み逃した人のために、コラムの一部を引用すると、書き出しは「50年前の全日本自動車ショーで、トヨタはドアのない車を世に問うた。大衆車を2人乗りの未来風スタイルに仕立てた、パブリカスポーツだ」としながら、「今はなきこの車を、今年夏、『愚かな車好き』を自称するトヨタOBらが復元した」と紹介。
次の段落では「パブリカスポーツの斬新さは、ショーの話題づくりに終わらず、1965年のトヨタ・スポーツ800に結実する。時代を画した車は好き嫌いが分かれるものだが、愛称『ヨタハチ』を悪く言う人を知らない」と指摘する。
コラムの本題はここからで「後に80点主義と評される会社にしては珍しく、技術陣が『まじめに遊んだ』一作である」と皮肉っぽく綴ったあとで「以後、国産車は大きく華美になるばかり。小型スポーツカーは定着しなかった」として、「くねる道を人車一体で駆ける楽しさを知らずに、車社会は老いへと向かう。内に成熟市場、外には過当競争。車のみならず日本メーカーをさいなむ虎狼(ころう)である」と分析。
さらに、「名だたる家電ブランドの苦境も、内外の消耗戦の結果だ。抜け出すには、青いが熱かった半世紀前に立ち返るのも手だろう。『こんなものができたら面白い』と。今昔の車好きを夢中にする遊び心こそ、ものづくり再生のカギに思えてならない」と、コラムは結んでいる。
最近では、自動車メーカーの研究所でも若手社員の中には運転免許証を持たない人も増えたという。休日もスマホばかりを操作していては「遊び心のクルマ」は期待薄である。