三菱電機はオーディオ・ホームシアター展の会場で、今年7月から発売を開始したカーナビ、『NR-MZ60』のデモンストレーションを行っていた。市販カーナビのメーカーとしてはお世辞にもメジャーとは言えない三菱だが、このモデルには相当の自信を持っているようだ。
NR-MZ60は地図容量16GBのメモリーナビ。現状での実売価格は14万円程度と、他社のミドルクラスナビと大差ないが、従来の同社製ナビが搭載していたものより高精度な32bitのD/Aコンバータを採用。「音にこだわったこと」が最大の特長となっている。このコンバータは、価格が約80万円という同社製の車載用デジタルプロセスセンター『DA-PX1』に採用されているものと同様で、カーナビに搭載されるのは初めてとなる。
音質調整機能も充実しており、イコライザーはNR-MZ60で左右独立10バンド、上位モデルの『NR-MZ60 PREMI』(実売約20万円)では同31バンド搭載。リスナーとスピーカー間の距離を厳密に調整することで、音の実態感を高めるタイムアライメント機能も用意されている。
実車を持ち込んでのデモンストレーションは、ノーマルのNR-MZ60(ナビを入れ替えただけであとは何もいじらず)と、PREMI(スピーカーを交換し、ドアも処理)の二つで行われていたが、いずれもタイムアライメント機能のおかげか、目の前に音源があるかのような印象だった。特に前者は「ナビを換えただけ」ということもあり、「それだけでこんなに違いが出るのか」と驚くしかなかった。
説明員は「ナビ機能はオマケみたいなものです」としていたが、ミドルクラスのナビとしては十分すぎるほどの機能を有している。純正オプションとなるリアカメラを装着することでレーンアシスト機能を付加できるほか、会員制サービス『OpenInfo』に加入することで、パイオニアが提供するリアルタイム渋滞情報『スマートループ』も使えるようになる。