【VW up! 試乗】人も犬も気分がup! する走りが楽しいプチVW…青山尚暉

試乗記 輸入車
【VW up! 試乗】人も犬も気分がup! する走りが楽しいプチVW…青山尚暉
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  • インパネはボディ同色の樹脂パネルがフィットされる。

『up!』はスペースup!というショーカーをほぼそのまま市販化したVWを下支えするコンパクトカー。VWにとっては未開拓のカテゴリーに属する。

すでにワールド・カー・オブ・ザ・イヤー2012を受賞。ついに日本にも上陸した。

2/4ドアが用意されるボディはもちろん、ポロより小さい。日本車で言えばプチトヨタのパッソより全長、全幅ともに小さい。

エンジンはVW製の3気筒、999cc。ついにVWもミラージュのように3気筒へのダウンサイズを計ったわけだ。組み合わされる日本仕様のミッションはASGと呼ばれるシングルクラッチの2ペダル5MT。

安全性への取り組みはさすがVW。横滑り防止装置のESP、サイドエアバッグ、そして赤外線レーザーを使った自動ブレーキシステム=シティエマージェンシーブレーキを全グレードに標準装備。それで価格は149万円からというのだから驚きだ。シティエマージェンシーブレーキ分(8万円相当)を引けば実質141万円~。軽自動車の上級グレード並みである。

室内は前席に陣取る限り、狭さとは無縁。ボディカラー同色のインパネパネルがポップでかわいい。しかし後席は身長172cmのボクのドラポジ基準で頭上に12cmはともかく、ひざ回りスペースは9.5cmとギリギリ。とはいえ乗降性は意外なほど良かった。

そんな『up!』を走らせると、前席の掛け心地が絶品で、乗り心地はストローク感とフラット感を見事に両立したVWらしい快適感に脱帽。パワステは軽く扱いやすく、操縦性はキビキビ軽快そのもの。走りは爽快(そうかい)でとにかく気分がup!するほど楽しい。

動力性能は出足こそもっさりしているが、スピードが乗れば3気筒感などまったく感じられず、必要十分以上加速力を発揮してくれる。意外なのは静粛性の高さで、エンジンは5000回転まで回しても不快なノイズなど聞こえてこない。バランサーシャフトを使っていないのにたいしたものだ。

高速走行時、山道などでの安定感もほれぼれするほど。2名乗車なら長距離走行も難なくこなしてくれそうだ。

ただし、ASGは褒められない。DSGと違いシングルクラッチで、アップシフト時の船を漕(こ)ぐようなギクシャク感がそうしたドライブフィールに水を差す。この部分は慣れが必要だ。しかしそれ以外の部分は国産コンパクトが真っ青になるほどの出来栄えだと思える。

意外なのがペットフレンドリー度の高さ。荷室側からは開口部高が780mmと高く、フロアとの段差があるため大型犬でも乗り降りは無理だが、裏技があった。

上下2段に高さ調整できるバリアブルカーゴフロアは高い位置にすることで格納した後席とフラット化できるのがポイント。その状態でリヤドアから乗せれば、後席格納フロア高は59cmとごく低く、5:5分割の片側のみ格納したフロアは大型犬もゆったりできる幅69×奥行き100cmものスペース。人間3人+犬+荷物の乗車、積載が可能になる。しかもドア内張りは布ではなく樹脂製。抜け毛、汚れが付かないから犬も飼い主もうれしい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
ペットフレンドリー度:★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

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