ベルギーGPのウィークエンド、ルイス・ハミルトンが予選セットアップのテレメトリーデータをツイッターに公開してしまうという事件があった。
ハミルトンは、ジェンソン・バトンのローダウンフォース設定がスパには適していると主張し、ペースの違いを説明しようとテレメトリーをプリントアウトした画像をツイッターに投稿してしまった。
ところが公開されたデータからは、ライドハイト(車高)やスピードの関係など、マクラーレンとしては絶対に表に出したくない情報が含まれていた。あるライバルチームのトップは、プロのエンジニアが見ればMP4-27のパフォーマンスを解明につながる、値千金のデータだと語っている。
一方、マクラーレン代表マーティン・ウィットマーシュは、ハミルトンに投稿を削除するよう求めたが問題をこれ以上深追いするつもりはないと語る。
「ルイスの判断ミスだが、われわれが削除してくれるように頼んで彼はそれに応じてくれたのでそれで構わない。ただし、この事件が彼のウィークエンドに影響を及ぼしたとは思っていないよ」
守秘義務違反にはならないのかという問いかけに対しウィットマーシュはこう応じた。
「そういうことにはならないだろう。他のチームの代表がどう対応するかは知らないが、私はそうは思わない。単なる判断ミスであって、速やかに是正し謝罪もあったので、この件は終わりにしたい」
マクラーレンのテクニカルディレクター、パディ・ロウは、漏洩したデータによって他チームが得たであろう利益は小さいとしつつも、生データのツイートはよろしくないと語る。
「インターネットは永久に記録されて消すことができない場です。彼のツイートも拡散するでしょう。何人かのエンジニアが私に不満を伝えてきました。あのデータは第三者が手に入れても大した価値はありません。ダメージも限定的です。ただエンジニアはこうした秘密のために人生をささげているのですから彼らが面白く思わないのは当然ですし、そのことに思いが至らなかったというのがルイスのミスだったことは間違いないでしょう」