【ホンダN BOX 発売】ミニミニバンは命のライフライン

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ホンダ・N BOX
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4月から3か月間、車名別届出車ナンバーワンのホンダ『N BOX』。このデザインコンセプトは“ミニミニバン”である。

本田技術研究所デザイン開発室1スタジオ主任研究員の濵野剛男さんは、このデザインコンセプトを決めるにあたり、開発責任者である、本田技術研究所主任研究員の浅木泰昭さんと議論になったと話す。濱野さんは浅木さんについて「もともとアコード関係の大型車種のLPL(開発総責任者)をやっており、軽は初めてでした。その彼が、軽自動車でミニバンという意味がわからない。ミニバンというのは3列あるクルマなんだと言うのです」

そこで濵野さんは「自転車を積める軽なんてないんだという話をずっとしました。自転車は、色々な搭載モジュールの中で最大。特にいわゆる通勤用自転車はかなり場所を取るのです。これが簡単に積めたら、こんなに良いことがあると説明しました」と話す。

そのときに最も浅木さんを動かした具体例を濱野さんが話してくれた。「例えば受験生の娘さんが自転車で塾に行ったとき、急に雨が降りだすと、親御さんが迎えに行くわけです。しかし自転車はクルマに載せられないので、娘だけ連れて帰り、次の日に自転車を取りに行かなければいけない。それが、娘さんと一緒に自転車も積んで帰れるんだという話をしました」

濱野さんによると「浅木さんは『それはわかる、私もそうだった。これは命のライフラインだ』と話しました。それは本当に必需品、いわゆる憧れで買うものではなくて、切迫して買うものだから、絶対に作らなければだめだと彼は言ってくれました。そこで初めてミニミニバンというコンセプトが生まれたのです」と笑う。

しかし、当時のプラットフォームは『ライフ』しかなかった。「我々の理想クルマ作りのためにプラットフォームを起こすことまでに至り、結構な時間がかかってしまいましたが、こうやってN BOXという形で出せました」と笑顔で語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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