矢野経済研究所は、リチウムイオン電池(LIB)用主要4部材世界市場に関する調査を実施。その結果を公表した。
調査は、LIB用の主要4部材(正極材、負極材、電解液、セパレーター)について、LIB部材メーカーを対象に実施。同社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査を併用し、2012年1月から6月に行った。
調査結果によると、2011年度のLIB主要4部材世界市場規模は前年度比11.2%増の4473億円となる見込み。東日本大震災の影響で、一部日系LIBメーカーや日系LIB部材メーカーの出荷が減少した一方、韓国や中国のLIB部材メーカーは順調に供給を増加させた。
また、2014年度のLIB主要4部材世界市場規模は8003億円と予測した。市場を牽引しているスマートフォン、タブレットPC需要が継続。新興国では端末機器の普及率はまだ低く、市場拡大余地は大きいと見ている。そのほか、車載用、エネルギー貯蔵システムなどの産業用LIB市場も徐々にではあるが拡大していくと予測。EV市場は期待通りの市場規模にはなってはいないが、LIB搭載のHEV、PHEVが今後、相次ぎ市場に投入される見込みであり、LIB需要自体は増加傾向にあると予想している。